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コラム 世界のマグロを追いかけて男の旅 こぼれ話

カニカマと カリフォルニア・ロールの原点 Part 2

 カリフォルニア・ロールは、米国のロサンゼルスで生まれました。考案者は日本人で1963年ロサンゼルスのリトル東京に「東京會舘」というレストランがオープンされました。そこの寿司職人が、『アメリカ人にも愛される寿司ができないか』と考案されたのが、カリフォルニア・ロールと言われています。

 最初は本物のタラバカニの脚身、アボカドをマヨネーズであえて巻き寿司にしました。それが始まりで、今日のカリフォルニア・ロールへと発展してきました。

 アメリカ人にとってなじみにくかった生魚を使わず、カニ風味のすり身の“カニカマ”を入れたり、黒い海苔をすし飯の中にして外側から見えないように巻くことなどの工夫で、アメリカ人が喜ぶ寿司が生まれ発展してきたわけです。

 カリフォルニア・ロールは、カニカマ、アボカド、マヨネーズ、白ごまなどを手巻き寿司、または裏巻き寿司とするのが一般的です。アボカドの代わりにキュウリを使ったり、巻きの外側にまぶすゴマには黒ごまを使ったり、ごまの代わりにトビコを使ったりもしますね。今日さまざまな創作寿司が生まれています。

 こうした生の魚を使わず、海苔を酢飯の内側に巻き込んで裏巻きにすることで、アメリカ人が持つ“日本の寿司”に対する固定観念や抵抗感を取り除くきっかけを作れました。いったんカリフォルニア・ロールが好きになり、海苔と酢飯に慣れてくれば、徐々に日本で一般的な握り寿司や、魚介類の寿司にも興味も湧き、味も分かってくるというものです。こうして、子どもたちも含め家族みんなで楽しめる寿司となっていったわけです。

 美味で安価な日本発祥のカニカマもなくして、アメリカで絶対人気のカルフォニア・ロールも、ここで広がらなかったかと思います。

 こういった巻き寿司には、カニカマの“フィッシュスティック”が一番使い勝手が良かったのです。一本のカニカマの外のシール外して、ぴしゃっとまな板に打ち付けると、バラバラと解けるのですが、それを二つに割ってちょうど一本のロールを作るわけですが、そのばらつきが寿司職人に喜ばれています。

 カリフォルニア・ロールは1980年代に入ると、今度はアメリカから日本に紹介され、今や日本の回転寿司では定番ともなってしまいました。

 アメリカの家庭で最もポピュラーなシーフードサラダやサンドイッチには、こちらはフレーク状のカニカマが人気があります。日本で生まれたカニカマも、今は中国産、韓国産など様々でアメリカ市場は入り乱れていますね。しかし、なんと言っても“すり身”“かまぼこ”と言えば、本家の日本のものでしょう。

STORY 183

永井 修二

北海道出身、在米38年 鮪関連水産会社34年勤続

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