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デジタル版・新聞

コラム とどけMahalo! アメリカ本土便り

ウイスコンシンで独り言 帰ってきた動物たち

 感謝祭も終わったある日、ちょっと近くへ出かけた道路でめずらしく渋滞ができていました。一体何があったんでしょうか? 交通事故? 何かの工事?とにかく何かあったようで車がしばらく動きません。そうしているとやっとそろり、そろりと車列が動き出し、交差点近くに来るとその渋滞の訳がわかりました。何と七面鳥が道路に現れたのでした。その七面鳥の家族が群れを成して、優雅にのんびりとよたよた道路を渡っていたのです。

七面鳥、鹿、そして雁

 私達が住む住宅地を散歩しているとたくさんのリスやウサギのほか、雁や鹿を見ます。どうやら鹿の集団(家族)はこの住宅地の空き地に住んでいるようで、日が沈むと我々の住む家々の庭先などに現れ、木の実やいろいろな草を食べているようです。こうした野生の動物にエサをやったりしてはいけないと思いますが、どうやらこの近所では誰か鹿や七面鳥に餌付けをしている人がいるようで、あまり人を恐れません。

一度は全滅の危機にあった鹿や七面鳥

 こうして昨今では住宅地でも見られる、鹿や七面鳥ですが、今から300年ほど前からヨーロッパからの移民が徐々に増加し、野生動物の乱獲や森林の伐採、農地の拡張やら、火事などの災害などで雁や鹿や七面鳥の環境は激変し、存続の危機に陥りました。ところが、1930年ごろから政府が法律でこうした野生動物を保護する法案を成立させ、民間の基金などの支援もあり、少しずつ鹿や七面鳥などが増えていったようです。野牛(bison)やヘラジカ(elk)などのように激減した動物もいますが、100年前にはアメリカで七面鳥は3万羽ほど、鹿は50万頭以下になり、雁も見かけなくなっていたのが、今では七面鳥(7百万羽)、鹿(3千万頭)、雁(150万羽)と回復してきて、ウイスコンシンのあちこちで見られるようになりました。

 私は近所を散歩しながら、こうした動物を身近に見ると我々はこの動物たちと一緒にこの地球で住んでるんだって思うのです。まさに七面鳥も鹿も雁も私達の「ご近所さん」です。

七面鳥
鹿

とどけMahalo! アメリカ本土便り No.142

大井貞二(おおいさだじ)

1988年にハワイに移住。地元の私立校で日本語を教える。その後、ハワイ大学大学院を経て、ハワイパシフック大学(HPU)にて世界中からやってくる学生に日本語を教え、最近退職。現在アメリカ本土に居住。

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