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コラム 世界のマグロを追いかけて男の旅 こぼれ話

ボストンの生牡蠣

 ボストンには、たくさんの思い出が詰まっています。あれから30余年が過ぎて、今はニューヨークで二児の母親として生活している娘ですが、ボストンで生まれました。あの頃は毎日、魚臭い仕事着のまま家に帰っていたものです。

 今回は数日の滞在でしたがボストンもよく歩きました。ボストン・コモンから、ビーコンヒル、クインシー・マーケットなどをくまなく歩き回っていました。ボストン・コモン(Boston Common)は、ボストン市中心部にある公園で、1934年に設立されたアメリカ最古の都市公園と言われています。公園の中では人慣れたリスやアヒルがたくさんいて気軽に近づいてきます。訪れる人々のひとときを楽しませてくれています。

 ボストンコモンを見下ろす場所にビーコンヒル(Beacon HIll)と言われるレンガ造りの建物が並ぶ一画があります。路幅は狭く歩道はレンガが敷で、夜になるとガス灯が灯ります。昔の英国を彷彿とさせる街並みですね。反対側はチャールス川がゆったりと流れカヌーやヨットが浮かび、川沿いは人々の安らぐ憩いの場となっています。川向うにはMIT(マサチューセッツ工科大学)やハーバード大学などがあります。

 ボストンの港の近くには、お土産店や飲食店が入っているクインシー・マーケット(Quincy Market)があります。クインシー・マーケットは1826年に建造され、その建物の前にファニエル・ホールがあります。これらの建物は当時のボストン人々の食料品を扱う場所で、チーズやパン、卵などを販売する商業施設でした。今もなお飲食店や売店がぎっしりと詰まり、多くの観光客で賑わっています。屋外では大衆芸人による見世物や催しがあり、訪れる人を楽しませてくれています。

 私はこの一画から離れた、ユニオン通り41番地にあるアメリカ最古のレストラン、“ユニオン・オイスター・ハウス(Union Oyester House)”を訪れました。開業が1862年と言われ、今もなお半円形の原型を残すオイスターバーがあります。

 カウンターの内側では、次々と入ってくる注文に愛想よく応え、男性が手早く生牡蠣を剥いています。一階と二階にテーブル席も多くありますが、店内の天井は低く、鈍く黒光りする壁や床も当時を偲ばせる木肌そのままになっています。奥の18番テーブルはジョン・F・ケネディが愛用していたテーブルで、マサチューセッツ州知事の時代に、よく家族連れでロブスターやクラムチャウダーを食べに来ていたらいしいです。

 私はカウンターに席を取り、さっそくクラムチャウダーと生牡蠣を注文しました。クリーミーで貝もたくさん入ったクラムチャウダーと、今剥いたばかりの新鮮な生牡蠣が私が座るカウンター上にパッと出されてきました。ボストンでしか味わえないひとときを堪能しました。

STORY 194

永井 修二

北海道出身、在米38年 鮪関連水産会社34年勤続

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