日本の「食品三大発明」と言われている食品はご存知ですか?その答えは、「即席めん」「レトルトカレー」、そして「カニカマ」と言われています。
そのうちの一つ、“カニカマ”は、今日の巻き寿司にはなくてはならないもになっていますね。原料は、スケソウダラ(Cod fish)で、すり身に加工し、カニの脚肉のような“かまぼこ”が作られました。
ことの初めは、1970年代前半のことで石川県の能登半島の一加工工場から生まれたのでした。その後、10年ほど経ってアメリカへと渡り、そして世界中の寿司屋、スーパー、食卓へと浸透して行きました。
このカニカマ(カニ風味かまぼこ・Imitation crab meat)は、カルフォニア・ロールに必ず使われています。そのカルフォニア・ロールの発明も、アメリカ、世界への司の拡大が加速化させていくとてもだいじな発明となります。
それでは、カニカマの発明のきっかけの話になります。もともとは、“人工クラゲ”の開発だったと伝えられています。当時の日本は、クラゲが中華料理の珍味として使われていて重宝されていました。
しかし、一時期中国からの輸入禁止があり、クラゲが手に入りにくくなります。そこで、珍味を得意とする能登半島の魚のすり身を得意とする加工業者に、人口クラゲの依頼が舞い込んだというわけです。さっそく研究開発が始まり、こんぶ粉末を使っての研究を続けることで、ようやくクラゲに近い食感までたどり着きました。ところがそのうちに中国からのクラゲの輸入が解禁されてしまい、このプロジェクトは棚上げとなってしまいす。
しかし、開発しているさなか「これは、カニとして行けるかも?」ということが明らかになったのです。クラゲとしてはデビューできなくても、「カニの細かな繊維状のカニ脚の身にも似ているし、風味、味覚も近い」となったわけです。こうして、“カニ風味のかまぼこ”の開発が本格化していきます。
発売当初は、フレーク状のカニカマであり、これが当時の東京築地市場に持ちこまれましが、“刻んだかまぼこ”として門前払いされたのですが、一仲卸が取り扱ってくれようになり、徐々に販売が拡大してきました。販売努力をさらに重ねていくと、やがて爆発的に売れるようになったと言います。
一方、棒状のカニカマが出てくるのは、もう少し後のことで、広島の加工工場からでした。いわゆる“カニステック”で、この商材がアメリカの寿司屋さんに受け入れ、特にカリフォルニア・ロールになくてはならないものになります。