ホームレスが民家に籠城
先日の夕方のことでした。私達が住むコンド付近に警官がやってきて拡声器で「手を上げろ!」「動くな!」などと怒鳴る声が聞こえてきました。何事かと窓から外を見ると、私達のコンドから道路を隔てた家の前に何人かの警官が集まっています。(木に隠れて人の動きが見えません)そうしていると、何台かのパトカーが立て続けに応援にやってきました。警察犬もやってきました。10人ほどの近所の人が何事かと、遠巻きにこの捕り物の様子を見ています。そしてにらみ合いが一時間以上たった頃に、赤い大きな救急車が二台やってきました。どうやらその家に立て籠っていた人間はケガをしたのでしょう。その救急車で連れていかれたものと思われます。
その夜のテレビニュースでは何の報道もなく、後でホームレスが休暇で不在の家で生活していたことを近所の人の話で知りました。その家の住民は自宅に誰か侵入していることをなんらかの形で知って、警察に通報したのでしょう。どうやら最近、この辺りの留守の家へホームレスが侵入し生活しているようで、ホームレスは食べ物を食い荒らし、浴室や居間などをかなり汚していくとのことです。
車の暴走事故
それから、これも近所でほぼ同じ頃の夜更けに大きな交通事故がありました。私達のコンドからほんの二百メートルほど離れた交差点で一台の車が左折しようと交差点に入ったところへ、猛スピードで直進してきた車とこの左折車が激突し、一台はすぐそばのガソリンスタンドまで吹き飛び、火災を起こしました。たまたまそこに居合わせた人達が炎上する車の中から人を救い出しました。一方、この左折車はこの直進した車に片側車線まで大きく吹き飛ばされ、運転手はその勢いで車から投げ出されて即死しました。
この事故のことは全く報道されなかったのですが、翌日妻の妹から聞きました。義理の妹の主人はこの被害者の青年と同じ会社で何年も一緒に仕事をして、公私ともに親しくしていたので、この突然の事故死の知らせは衝撃でした。猛スピードで直進していた車のドライバーは酒気帯び運転の常習者で、この夜は急性アルコール中毒の友人を近くの緊急病院に運ぶ途中でした。衝突直後の直進車の計器は時速125マイル(時速200キロ)、一方の左折車は時速15マイル(24キロ)示していました。
このような地元の様々な出来事は以前なら地方紙などで活字にされたり、テレビで報道されたりしたでしょうが、昨今では地元のニュースはテレビで簡単な報道されるだけで、地方紙では報道されなくなり寂しい限りです。こうした状態が続くと、やがて地域の結び付きや政治の腐敗などがあっても住民に知らされることもなく、やがてそうした地方行政に住民が無関心になる恐れがあります。今回の近所のこうした出来事から、地方紙が持つ大切な役割がまだまだあると思いました。
とどけMahalo! アメリカ本土便り No.160
大井貞二(おおいさだじ)
1988年にハワイに移住。地元の私立校で日本語を教える。その後、ハワイ大学大学院を経て、ハワイパシフック大学(HPU)にて世界中からやってくる学生に日本語を教え、最近退職。現在アメリカ本土に居住。
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