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コラム マスコミ系働き女子のひとりごと

【竹下聖のラグビーコラム】我が後輩君VS伝説のワラビーズ

 2024年が始まりました。本コラムも6年目に突入。ラグビーに魅了され、楕円球を追いかけ今年もスタジアムに出かけます。読者の皆様、引き続きお付き合いどうぞよろしくお願いします。

元旦からもちろん練習
 129日の開幕から3連敗と、勝利がないまま年越しを迎えたリコーブラックラムズ東京。元旦も寒風吹く多摩川近くのグラウンドでチーム練習が行われ、6日の第4節に向け一体感を高めました。

 自信を失いかけていたチームで、6日の花園近鉄ライナーズ戦で司令塔ナンバーの「10」を背負い公式戦デビューを飾ったのが、中楠一期(なかくす・いちご)。慶応大卒1年目のルーキーでした。

ルーキーが呼び寄せた勝利
 「デビュー戦という印象はなくて、自分がやらなきゃいけないことを、頭の中で考えるので必死でした」とクールに振り返った23歳でしたが、安定したキックを武器に、スペースを見逃さない視野の広さでボールをさばき、試合をコントロール。プレイスキックも4本を成功させて、成功率は100%。後半途中で交代しましたが、新人のデビューを盛り立てようとチームは6トライを奪い、41―14と遅れた今季初勝利を呼び寄せました。

 この試合でSO中楠とハーフ団でコンビを組んだSH高橋敏也の2人は、実は私の母校でもある国学院久我山高校の先輩と後輩の間柄。相対する近鉄の9―10番は豪州代表「ワラビーズ」のSHゲニアとSOクーパー。長年豪州代表の顔として活躍した35歳同士のコンビで、2人合計190キャップとまさに生きるレジェンド。久我山vs“豪州の伝説対決です(大丈夫?)。

デビューで初勝利を呼びよせたルーキーの中楠一期。 大仕事を終え、試合後は穏やかな表情

憧れのレジェンド対決実現
 実は中楠は大学時代、憧れの選手に「クウェイド・クーパー」と挙げるほど同じポジションで尊敬するファンタジスタ。試合後は、記者が質問をふる前に「小さい頃から憧れていた選手。独特の緊張感がありました」とクーパーと対決した喜びを口にしました。先輩の高橋は「相手メンバー表が出たときから、個人的には燃えるものがありました。僕らは久我山中コンビですから(笑)」。かつて全国大会優勝5度の母校ですが、最近は進学校化し花園に出場しても優勝シーンから遠ざかり古豪と呼ばれることも。2人は高校からスポーツ推薦で入学するアスリートエリートではなく、中学受験を経て付属中学から高校進学した一般組。勉強と両立し、高校-大学とラグビーを続け、憧れの選手とのマッチアップで勝利。後輩の活躍を見届け、OGの私にとっても最高の日となりました。

試合後の1枚の写真
 ノーサイドから数時間後。近鉄の公式「X」(@liners_players)に1枚の写真が投稿されました。そこにはロッカールームで仲良く肩を組むクーパーと中楠の姿が。「中楠選手がロッカーを訪ねてくれました。ありがとう、中楠選手」と。試合後は自ら相手ロッカーを訪ねたのですね。ロッカーで選手同士が交流できるのもラグビーならではの素敵な文化。中楠選手のラグビー人生は、まだ通過点です。

今季初勝利を期して、試合前のハドルを組むブラックラムズ東京の選手たち

東京・大手町発 マスコミ系働き女子のひとりごと Vol.66

(日刊サン 2024.1.12)

竹下聖(たけしたひじり)

東京生まれ。大学卒業後、東京の某新聞社でスポーツ記者、広告営業として15年間勤務後、2012年〜2014年末まで約3年間ハワイに滞在。帰国後は2016年より、大手町のマスコミ系企業に勤務。趣味はヨガと銭湯巡り。夫と中学生の娘、トイプードルと都内在住。

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