日本での滞在もあっという間に1ヶ月が過ぎようとしている。もうニューヨークでの生活が思い出せないほどに4年ぶりの故郷、香川県の生活、エネルギーにどっぷりと同化し馴染みまくっている。
香川県での生活は、とにかく静か。一日中、鳥のさえずり。人の声も聞こえない。まるで無人島でひとりハンモックに揺られながら森林浴を楽しんでいるような気持ちに浸れるほど平和で癒しそのものだ。朝、7時1秒を回った瞬間から、爆音の工事音が鳴り響くマンハッタン生活とは天と地がひっくり返ったほどに真逆の世界。
瀬戸内海に面した香川県では海の幸も豊富で絶品。昨夜は親友と、古い小料理屋のカウンター席に座り、美味しい瀬戸の幸を堪能しながら過去のあれこれや今のこと、未来について語り合った。
幼少期の話になったとき、親友がこんなことをポツリと言った。私の母が、一人っ子の私を8才の時にひとり韓国までホームステイに出したことをいまだに信じられない、と。私の母はひどく心配性でなんでもかんでも心配してくるような人。その母が、幼い私をひとり言葉の通じない異国へ出すと言うことはどのような心境だったのだろうか。
世界のどこででも生きていけるように。小さい頃から様々な体験を通して大人になった時、一人でも生きていけるだけの精神力を養ってもらいたいという願いから旅に出したそうだ。
小学生でおとなりの韓国を皮切りに、中学生でアメリカホームステイ、高校ではアメリカ留学と経験して来た。一人でも生きていけるだけの精神力は私にはあるとは思えないけれど、小さい頃から異国での生活はこの地球上には一人として同じ人はいないということ、そして受け身の人生ではなく自ら能動的に生きる楽しさを世界中の人たちから身を以て教えてもらった。
心配性の母が海外に出してくれたことは、今振り返ると奇跡のようなこと。心配性の母もまた、私が海外に出ることで様々な気持ちも味わい体験し、そのおかげか、いまでは随分と心配性がゆるまって人生をもっとたのしみ、リラックスして大胆になってきているように感じる。
人生とは、必要なときに必要なことが起こっていくのだなあ。今日も1日、思いっきり自分全開で地球を楽しもうと思う。
私の旅ストーリー
大森 千寿
NY在住。香川県高松市生まれ。アーティスト・作家・アートセラピスト・米国NLP協会認定マスタープラクティショナー・現代レイキマスター。NY・ハワイ・日本の3箇所にアートスタジオを構え活動。著書に、amazon電子書籍「ハワイに不動産を購入して人生10倍楽しむ方法」「ハワイで聞いた! 32通りの生き方(第一弾)」「人生の冒険」がある。NYで新しい扉を開く2日間プログラムやニューヨーカーと行く穴場ツアー、アート最前線ガイドなど開催中。 www.chizuomori.com ameblo.jp/adamwestonart
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