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コラム 世界のマグロを追いかけて男の旅 こぼれ話

今、イワシが安い!

 日本全国でサバの缶詰が品薄になるサバ缶ショックが広がっているのはご存知でしょうか。要因は、日本近海でのサバの不漁続きにあると言っています。生鮮のサバにあっては一匹300円にもなり、一般庶民にはなかなか手が届かなくなりました。実際にスーパーによっては、サバ缶でさえ入荷が難しく一時販売を休止するという事態にもなっているようです。

 サバ不漁の原因は、例年より2ほど海水温が高く、日本近海に近づいてきていないからと言われています。

 一方サバの不漁が続く中、ある魚の漁獲量はグンと増えています。この春も豊漁が続いているのがイワシです。旬を迎えて脂の乗ったイワシが、安価で消費者の元へと届けられています。山陰や北陸沖の日本海側のほか、千葉県沖の太平洋側でも好調な漁獲が続き、手頃な価格でスーパーで売られ人気を集めています。私(奈良県在住)も、大型イワシ4匹入りのパックを300円以下の値段で購入し、さっそくに塩焼きにして堪能しました。

 また店頭で目につくのは、サバ缶が消えている中で、一缶99円と値付けされたイワシ缶が多く並べられていることです。

 加えてこんなニュースも伝えられ私たちを驚かせていました。今年2月青森県むつ市の海岸に、大量のイワシが打ち上げられたのです。地元住民から、「大量のイワシが海辺に漂着している」と連絡があったということです。イワシの漂着は、青森県内だけでも他に2箇所も確認され、北海道の斜里町でも大量に打ち上げられました。漂着する原因の一つは、今度は急な水温低下とみられ、寒波の影響で急に気温が下がると海水温も下がって、イワシは身動きがとれなくなり打ち上げられたのだろうということです。一方、新潟県糸魚川市のケースは、イルカなどに追われて行き場を失ったイワシが浜に漂着したのだろうと言っています。

 もちろん、各地域の漁師たちの網の中にも、大量のイワシが入ってきます。イワシの水揚げは、日本海側最大漁港の鳥取県境港では、この春から100グラム以上の大型魚の水揚げが好調が続いているようです。さらに石川県能登半島周辺の漁港でも、太平洋側の千葉県銚子港や、東北の三陸、北海道沖でもイワシの水揚げ量は、昨年を大幅に上回っています。

 イワシは30年ほど前に記録的な豊漁が続いた後、それから長らく不漁が続いていました。イワシ漁は、豊漁と不漁が20年おきに繰り返されると言われていて、最近は海水温の上昇でエサとなるプランクトンが大量に発生していることも要因でまだ数年は続きそうです。

 鮮魚としてのイワシの流通だけではなく、缶詰、天日干しもあります。寿司屋さんではイワシの活造りや握りも、人気を博しているようです。私は、大型イワシの塩焼きが一番イイですね。

STORY 207

永井 修二

北海道出身、在米38年 鮪関連水産会社34年勤続

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