ここのところ毎日氷点下10度近くまで下がっているニューヨーク。本格的な冬の寒さ到来。朝晩空気が澄み切って朝は宇宙まで届くような青空、夜は摩天楼の明かりがまるで天に輝く無限の星のように、夜の街をきらびやかに埋め尽くしている。
そんなマンハッタンで先日、遠隔で日本とつながり、98歳の祖母の面倒をみることになった。日本とニューヨークとの時差は今14時間。夜のNYと朝の日本。ことの発端は、高齢の祖母の面倒を見ている両親がふたりとも仕事で1日、会社を空けることになったから。
両親の経営する会社に、毎日出社している祖母。祖母は一人でなんでもできるけれど、それでも高齢。もし何かあれば大変だ。そこで、両親が居ない間、ニューヨークから祖母の面倒をみることに。
会社内の祖母が過ごしているオフィスには、小型カメラが設置しておりそこからリモートで見れるようになっている。
わたしは、このイベントを「遠隔老人シッター」と名付けた。
NY時間の夜7時。日本は朝の9時。海を越えた遠隔老人シッターがはじまった。両親が去って数分もたたずに、祖母は、わたしの母が置いていった3つのスナック菓子の袋を素早く開けて、テレビを見始めた。
そして、お昼前にその全てのお菓子を完食。お昼に食べるために用意してあったランチも午前11時には全部きれいに平らげてしまった。なんという食欲なんだ! しかも、スナック菓子を一気に3袋も! 98歳の祖母はジャンクフードが大好きでなんでも食べる。それでもお薬一つ飲んでいない。健康そのものだ。
コロナの影響もあり帰国できず、もう3年近く祖母に会えていない。画面越しに数分ほど週に何度か家族とビデオ通話はしているけれど、祖母の生活や食べっぷりはずいぶん長い間実際に見てはいない。母から話を聞く程度。
あまりにも食欲旺盛、そして一人で何やら話をしたり、笑ったり。お一人さま時間を堪能している祖母の姿。海を越えた距離でこのように遠隔で繋がれることのできる今の時代の恩恵をつくづく感じさせられた出来事だった。
時代は、確実に変化している。数年後数十年後には、月から遠隔で連絡を取り合っている、そんな時代が到来しているかもしれない。
私たちも時代も宇宙もすべてが常に変化しているように、たとえ光がなかなか感じられないような時代であったとしても、それも過ぎ去っていく。
一人時間を無邪気に楽しんでいる98歳の祖母の姿を見ながら、なんだかとても平和な気持ちで満たされた。
今日もありがたい1日。感謝。
私の旅ストーリー
大森 千寿
NY在住。香川県高松市生まれ。アーティスト・作家・アートセラピスト・米国NLP協会認定マスタープラクティショナー・現代レイキマスター。NY・ハワイ・日本の3箇所にアートスタジオを構え活動。著書に、amazon電子書籍「ハワイに不動産を購入して人生10倍楽しむ方法」「ハワイで聞いた! 32通りの生き方(第一弾)」「人生の冒険」がある。NYで新しい扉を開く2日間プログラムやニューヨーカーと行く穴場ツアー、アート最前線ガイドなど開催中。 www.chizuomori.com ameblo.jp/adamwestonart
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