ヨガで自己中心的になってみる?
ヨガと聞けば、心地よく体を伸ばすようなイメージで、自己中心的な印象とはかけ離れていると思います。ですが、自分の体や心のために、マットの上で、じっくりと自分と向き合うことは、自分を優先しないと実現しません。例えば、マットの上での練習中に誰かのことを気にかけながらヨガのポーズをとっても、自分の心が虚います。ですが、自分のための時間を作ることのできている人は、案外少ないものです。
私たちは日常生活において、自分の外側を見つめるように訓練されています。よって、私たちは、「どのように外のものを判断したら良いか」を考えた上で生活しています。現代の文化では、どのようにして支払いを済ませるか、どう買い物をするか、どう家事を行うか、他人から肯定的に捉えてもらうためにどうしたら良いかなど、「他人からの視点」を持っている反面、自分の内側を見る時間を持っていません。自分の感情の変化を観察したり見つめる機会がほとんどないのです。
ここで、「どう見られているか」とか、「どのように思われているか」を一度忘れてみませんか。この訓練として、ヨガのポーズの練習(アーサナ)を活用してみてください。
ヨガマットの上に座り、心が働く方向を観察してみましょう。いつも考え事をしている人は、「考えない時間」を作る必要があるかもしれません。呼吸に意識を向けてみましょう。呼吸に意識を持っていく習慣をつけると、心の働きがだんだん穏やかになることに気づくかもしれません。
動き方は、以前に習ったことのあるポーズをゆっくり行ってみるというのでも良いですし、専門の先生を訪ねるのも良いでしょう。いずれの場合も、呼吸に動作がついていくようなイメージで行います。早い動きや、テンポの速い音楽などは避けたほうが、自分の心の観察をしやすいでしょう。
もし、ヨガのポーズの練習に惹かれなくても、自分とつながる方法は他にもたくさんあります。、マントラチャンティング、瞑想、呼吸法などは全て、自分の心とつながるための方法です。何も目的を持たずに公園を散歩するというのも一つの方法です。
自分のために時間を使ってみてください。これは、決して自己中心的な行為ではありませんし、自分の心が落ち着いていると、健康状態にも変化があったり、他人との関わり方も変化していきます。
思考を働かせ過ぎて、思考に支配されないようにしましょう。
幸せ修行 No.243
加藤ジェシカ
世界中50か国以上を旅する中で、地球にはエネルギーのような何かが存在することに気づく。2017年、ヨガの勉強を通してアーユルヴェーダに出会い、渡印。日常に寄り添うアーユルヴェーダがテーマ。