肌は、誰だって美しくありたいものですよね。しかしながら、乾燥したり、ニキビや湿疹ができるなど、小さなトラブルを感じやすい箇所だと感じている人もいると思います。

　アーユルヴェーダでは、肌の状態と食生活の結びつきがよく論じられます。肌は、五感の一つである「触覚」を司ることから、肌につけるもの、触れるものに加えて、食生活も肌の状態に影響を与えると考えられます。

　例えば、肌が乾燥している場合は、「ヴァータ」と呼ばれる、風と空間のエネルギーが乱れている可能性があります。この場合は、食事は、なるだけ水分と油分の多いものを摂るように意識すると良いでしょう。

　水分の多い食事としては、緑豆や小豆、米などを食べ、クラッカーやポップコーンのような乾燥したものを避けると良いでしょう。油分は、良質な油を料理に使用するように意識してください。ギーやごま油など、精製されていない油を選んでくださいね。また、ヴァータは体が冷えやすいので、なるべく温かいものを頂くのがおすすめです。

　もし、乾燥よりも油っぽさが気になったり、湿疹がある場合は、「ピッタ」と呼ばれる火と水のエネルギーが乱れている可能性があります。

　ピッタは、食事で言うと「辛・酸・塩」を好みますので、これらを食べすぎないようにすることが大切です。ゼロにするのではなく、少しずつ頂く、というイメージが良いでしょう。特に塩は精製塩の摂取を抑え、できるだけ岩塩から塩分を摂取すると良いでしょう。

　他に、ニキビに悩んでいる学生さんや大人の方もいらっしゃるかもしれません。ニキビは、上記の「ヴァータ」あるいは「ピッタ」のいずれかによるものか、両方の可能性があります。もし、ニキビの箇所が乾燥気味の場合は「ヴァータ」の影響によるもの、油っぽさを感じる場合は、「ピッタ」の影響である可能性が高いです。

　ハリとツヤのある肌は、自然に出来ていくものです。もし皮膚の不調がある場合は悩まずに、体から自分への改善のサインを受け取れたことに喜んでみてください。クリームなどを塗っても根本を治しているわけではないので、またいつか同じ症状が繰り返されます。

　肌の様子を観察しながら、自分が最近食べたものや、行動を振り返ってみてくださいね。