美味しいマグロを求めて
漁師さんたちは海で、マグロの業者さんたちは「AIの導入」など様々な方法で、マグロ品質確保と維持のために日進月歩の努力をしています。そしてその良質のマグロをスーパーや魚屋さんの店頭に並べられるように、お店のマグロのプロたちも、工夫をこらしてマグロを店頭に並べています。
やはり、ここで消費者として、マグロを買いに来て、目の前のマグロが果たして値段に合って美味しいマグロなのかどうかが不安になってしまうでしょう。実際に購入するときは手にとって、マグロの良し悪しを判断することになります。何しろショーケースの向こうには、マグロのプロたちがいて、お客様を惹きつけるためにアレヤコレヤの手でマグロを並べているのです。
もちろん、値付けにも様々な工夫もしてきます。その日その日のマグロの入荷状況や鮮度を見て、マグロを“サク”、“刺し身”、“切り落とし”など、さまざまな部位におろします。“漬けマグロ”にもなります。入荷したマグロは、全て無駄なくイイ値で売っていくために、必死の奮闘をしているのですね。これがマグロを売る側の仕事です。
それでは、ここで買い手である皆さんの“マグロの目利き”はいかがでしょうか? 今回は、そちらの方へと話を展開してみましょう。スーパーや魚屋さんの店頭に並べられているマグロに“サシ”、“ヤマイ”、“シミ”が見えたり、また、“身割れ”、“変色”などもあり、“スジ”マグロもあります。こうしたマグロは、できるだけ避けたいところです。
実際に、ショーケースのサクやステーキ・カットされたマグロを外観から判別するのは、そんなに難しくはありません。ただ、“脂がある”とか、“旨そう”とかいう安易な思い込みではなく、まずはマグロをしっかり自分の目で見極めることが大事です。
パック入りのサクマグロを買って、家で切って刺し身にしてみたら、全滅ということにもなりかねないし、さらに、食べてみたら「舌にビリっとくる」、そんなことも体験することもあります。これはちょっと危険なマグロで、食中毒にもなりかねません。
それでは、値段に合って美味しいマグロを選ぶ時に注意したい、意識したいこととはなんでしょうか。細かくこだわればキリもないのですが、やはり値段との兼ね合いもありますので、相応の値段で美味しく安全なマグロを選びたいですね。
先ずは、初めにあげた「避けた方がよいマグロ」について述べていたいと思います。“サシ”とは業界用語ですが、マグロの身に小さな白い玉状のものが点々と見えたり、また水疱上に穴が空いていることもあります。こうしたマグロは切り取って廃棄するのですが、買うときによく見て注意しましょう。
原因は、粘液胞子虫類がマグロの身を侵食して、その部分がゼリー状に溶けてしまっためにおこります。食べたとしても問題はないのですが、もし買ってしまって刺し身にしてみたらズブズブに穴があって、まったく使えなくなってしまいます。特にハワイのメバチマグロやキハダマグロに多くみられます。