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コラム とどけMahalo! アメリカ本土便り

ウイスコンシンで独り言 年金・私の場合

年金の手続き

 「年金の手続き」と呪文のように唱えながら、今回日本へ帰りました。日本に到着した翌日にはすぐ宿泊先に近い年金事務所へでかけたのです。事務所は予約制になっていて、後日の予約をして帰りました。私はもう70歳を超えているので、アメリカのソーシャル・セキュリティーは支給されています。

 日本では共済年金と国民年金の受給資格が60歳でできて、必要な手続きをして年金を頂くようになりましたが、国民年金は額が少なく、アメリカに送金してもらうと現地の銀行で手数料がかかり、その手数料が引かれると日本円で千円ほどに。それで10年ほど前に年金の更新手続きをしませんでした。もう一方の年金(共済年金)は最初からゆうちょ銀行に送金されていたので、こうした問題がありませんでした。

国民年金ではゆうちょ銀行は払い込み先として除外されていたので、5年ほど前にやっとある銀行で口座を作ってもらいました。それで今回やっと年金事務所で書類を用意していただき、年金機構に送ったのですが、何と4か月後に書類がそのまま送り返されてきました。理由は「在留証明書」がなかったからですが、書類をそのまま送り返すのに4か月もかかるとは

 それから私達、日本の年金受給者で海外居住者の場合は毎年「在留証明書」を提出しなくてはなりません。この証明には現住所を示すものやパスポート、グリーンカードの写し、公証人に署名、返信用の封筒、時には戸籍謄(抄)本の写しもいるので、郵送するとなると結構部厚い物になります。

 私はこういう書類準備をしていて、コンピュータやコピー機を持たない人、車を運転しない人、交通の不便なところに住む人などは、毎年こんなことをするのは大変だなぁって思うのです。それに病気や体が不自由であれば、こうした毎年の書類の準備がもっと大変です。一方、アメリカのソーシャル・セキュリティーでは年金の申請はオンラインででき、関係書類もダウンロードして添付して、一時間ほどで終了します。こと年金申請に関してはアメリカの方がいいですね。しかもアメリカでは一度申請・承認されれば毎年更新などしなくていいのです。

 日本の役所は、年金受給者が死去しているのにその家族が受給し続けるというような年金受給の悪用を恐れているのでしょうか? 仮にそういった人がいるとしても全体から見ればごく少数と思います。その少数のため、本来年金が受給できる人が毎年の更新手続きを怠って支給が受けられなかったり、事務手続きが複雑化し、不必要な人員を配置するならその方が問題ではないでしょうか? 私はこの「在留証明」で70歳を過ぎても受給されないでいます。私は私のような人がハワイにはいないこをと祈っています。それから国民年金を担当する年金機構にもうすこし柔軟性も持ってもらえるよう、機会があるごとに働きかけていきたいです。

とどけMahalo! アメリカ本土便り No.158

大井貞二(おおいさだじ)

1988年にハワイに移住。地元の私立校で日本語を教える。その後、ハワイ大学大学院を経て、ハワイパシフック大学(HPU)にて世界中からやってくる学生に日本語を教え、最近退職。現在アメリカ本土に居住。

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