8月に発生したラハイナの山火事で、最も致命的な被害のあった歴史地区の中心地が、11日(月)と12日(火)、一日通行パスを所持する住民や企業経営者に再開されたとホノルル・スター・アドバタイザーが報じている。
再開された地域には、火事で燃えたが今は新しい葉を茂らせている樹齢150年の木があるバニヤンツリー・パークや、ラハイナ公立図書館、小学校、人気のレストランなどがある。火災発生当時、街から逃げようとする車で渋滞していたフロント・ストリートの海に面した一角は、8日(金)に立ち入りが再開された。
約4カ月ぶりにアクセスが再開されたことは、山火事で影響を受けた人々にとって精神面では重要な節目となったが、焼け跡の瓦礫を安全に撤去し、再建するためには多くの仕事が残っている。
住民の中には、活気に満ちたデリケートな生態系を持つこの島で、火災の残骸がどこに行き着くのか心配している人もいる。焼け跡の灰から有害物質が検出されたことから、州保健局は、焦土と化した土地に立ち入る人々に、危険から身を守るための防護服を着用するよう引き続き勧告している。
ラハイナ山火事被災地の全83ゾーンは、予定より1週間以上早い12日(火)に再開を完了した。アクセス再開プロセスの完了は、「フェーズ1:対応」から「フェーズ2:復旧」への移行を意味する。復旧段階には、灰と瓦礫の清掃と封じ込め、土壌検査が含まれる。
浄化作業はまだ初期段階にある。過去数カ月間、米国環境保護庁は街の2000以上の破壊された建物からバッテリーやプロパンタンク、殺虫剤、その他の危険物を除去してきた。
アメリカ陸軍工兵隊は、土地所有者の許可を得た後、残りの瓦礫を運び出し、埋立て地に運ぶ予定となっている。当局によると、瓦礫は不浸透性プラスチックで裏打ちされたダンプカーに入れられ、包まれて接着剤で密封される予定で、埋立て地は閉鎖され、公園のように芝生で覆われるという。
マウイ郡は、今後30年間、この地域を監視するとしており、埋立て地と海の間に地下水井戸を設置し、汚染物質が漏れる可能性がないかをチェックする計画となっている。
なお、影響区域への立ち入りはまだ制限されており、住民は、車両通行証または身分証明書を提示すれば、毎日午前8時から午後4時の間に自分の所有地に戻ることが許可されている。
シェアする
画像:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.12.13)