【ハワイニュース】コロナ患者は減少でも入院患者は増加 カイザーでは医療従事者ストライキ予定
現在ハワイでは新型コロナウィルス感染者数は減少傾向にあり、コロナに感染して重症化して入院する人数も順調に減ってきている一方で、コロナと関係のない一般の入院患者数が大幅に増加しているとハワイ・ニュース・ナウが伝えている。
11月9日にはハワイ州内で2,400人が入院しており、これはコロナで医療崩壊が心配された時期の入院患者数を超えた最高記録となったという。
その内コロナによる入院患者数は全体の3%にも満たない60人だ。
増え続ける患者数に医療施設は大きな負担を感じ始めている。
入院患者急増の大きな理由は、パンデミックの最中に治療を受けられなかったり、延期されてきた治療を再開する人々が多いからだという。
治療が遅れたり延期された分だけ病状は悪化しており、入院期間がさらに長くなる傾向がある。
ハワイ看護師協会の代表を勤めているダニエル・ロス氏はクイーンズ・メディカル・センターの外科病棟の看護師だが「センターはいつも入院患者でフルの状態です。コロナが収束に向かっている今、状況はさらに悪化しています」と述べている。
そんな中、パンデミックの対応のためにアメリカ本土から支援部隊として送られてきた250人の医療従事者は契約期間終了のために今週末に本土に戻ることになっている。
ハワイ・ヘルスケア協会のヒルトン・レイテル氏によると、医療機関が逼迫した状況の中で、多くの医療施設では契約延長を願い出て181人が一定期間の延長を了承しており、さらに150人の追加支援の医療従事者をハワイに送ってもらえるように交渉しているという。
一方、カイザー・パーマネンテでは11月22日からおよそ1,800人の看護師やセラピストなど従業員によるストライキが予定されており、レイテル氏はこのストライキにより患者を他の医療機関に移動させたり、新しい患者の受け入れができない状況になることを懸念しているという。
ロス氏も「(カイザーのストライキによって)ハワイ全体の病床数が減少することになります。クイーンズはすでに逼迫した状態なのですが、さらに負担が大きくなってしまいます」と述べている。
写真: VDB Photos / Shutterstock.com
(日刊サン 2021.11.12)
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