「フォード・モーター」社は、パーキングブレーキが作動していないと横転する危険性があるとして、「エクスプローラー」約23万8000台をリコールしたとホノルル・スター・アドバタイザーが報じている。
対象となるのは2020年から2022年までのモデルで、すでに生産を終了している。米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)は、12日(木)にフォード社に宛てた書簡の中で、「リヤアクスル(後輪車軸)の水平マウントボルトが破断し、ドライブシャフト(駆動軸)が外れる可能性がある」と述べた。
車輪に動力を伝達し、車両を動かす棒状の部品であるシャフトが外れると、駆動力が失われるか、パーキングブレーキをかけなければ車両が横転する可能性がある、と書簡は述べている。NHTSAのリコール管理部門のチーフであるアレックス・アンスリー氏は、「これらのシナリオのいずれかが、衝突のリスクを高める可能性がある」と明記している。
連邦政府機関によると、ディーラーは必要な修理を無料で行なうという。リコールの通知は11月6日(月)に郵送予定となっている。また、フォードのウェブサイトで車両識別番号または車の年式とモデルを入力することで、自分の車がリコール対象かどうかを確認することもできる。なお、同社によると、この欠陥に関連した事故や負傷者はいないという。
「マッキンゼー・アンド・カンパニー」(McKinsey & Co)の2019年のレポートによると、米国では過去20年ほどの間に自動車のリコールが一般的になっている。2016年、米国の自動車業界は初めて1000台以上のリコールに達した。2017年には、販売台数1台につき平均約3台がリコールされたという。
2022年、フォードは170万台のフォード・エスケープSUVを含む290万台を、ギアシフトが一見パークに入っているように見えても動いてしまう潜在的欠陥があるとしてリコールした。
9月には、規制当局が、数十社の自動車メーカーが使用している5200万個のエアバッグインフレータに破裂の可能性があると指摘した。
マッキンゼー社の報告書によると、2015年以降、リコールは通常エアバッグに関連している。しかし、自動車がより複雑な機能を持つようになるにつれ、ソフトウェアや電子機器の問題を理由とするリコールが増加しているという。
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画像:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.10.16)