21日(月)、バイデン大統領夫妻が山火事で被災したマウイ島ラハイナを訪問し、現地を視察するとともに、希望のメッセージを贈ったとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
大統領夫妻はこの日、タホ湖での休暇を中断し、大統領専用機エアフォース1にて現地時間午前8時43分に離陸した。5時間13分のフライトを経て、ハワイ時間11時11分にマウイ島カフルイ空港に着陸し、マリーン1にてカパルア空港まで移動した。マリーン1での移動中、ラハイナの惨状を上空から視察した。
大統領夫妻は、ジョシュ・グリーン州知事とハイメ・カナニ・グリーン夫人とともに、焼け野原となったフロント・ストリートを歩いて視察した後、この地で大切にされてきた樹齢150年のバニヤンツリーと、燃え落ちた旧ラハイナ裁判所の前で演説を行った。
「この惨状には圧倒されるばかりだ」と語ったバイデン大統領は、黒く焼け焦げながらも立っているバニヤンツリーについて、「この木が生き残ったのには理由がある。この危機を乗り越えるために私たちに何ができるのか、何をするのかを示す、とても力強いシンボルだと思う」と述べた。
かつて交通事故により最初の妻と娘を亡くしているバイデン大統領は、「誰かを失うことよりもつらいことは、誰かを失ったかどうかわからないことだ。壊滅的な理由で行方不明になっているのかどうかを判断しようとしている皆さんのことを思うと胸が痛む」と述べた。
また、少なくとも115人が死亡し、数百人がまだ行方不明となっている惨状から再建するために、連邦政府とともに「必要なことは何でも、必要な限りいつまでも」ラハイナの人々を支援し続けること、さらに、ハワイ王国のかつての首都であるラハイナを、コミュニティが望む形でのみ再建することを約束した。豪華な観光コミュニティが灰の中から立ち上がり、家を失い、愛する人の消息がいまだにわからない被災者にとって、住宅が手の届かないものになるのではないかという長引く懸念に応えた。
ラハイナを訪問中、バイデン大統領はかつての恩師であるハワイの故ダニエル・K・イノウエ上院議員を偲んだ。その後、ラハイナ・シビック・センターで開かれた集会に参加し、ここでの演説にて大統領と話をしたい人には誰にでも会うと約束した。「もし私が会わなかったら、ダニー、あなたが見ていることは分かっている。あなたが教えてくれた教訓を私は学んだと思う」
「ジルと私はここで皆さんと一緒に悲しんでいるが、同時に国全体が皆さんのためにここにいることを知ってほしい。大げさな表現ではない。国全体が、あなたのためにここにいる」
会場にいるできるだけ多くの人と会うことを優先したため、大統領夫妻の出発は予定より1時間遅れとなった。
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写真:lev radin / Shutterstock.com
(日刊サン 2023.8.22)