メリーランド州ポトマック、ブリス高校で技術工学として教鞭を執るマット・ジグラーさんの教室内には、様々な道具や最新の3Dプリンターなどが備えられている。3年前から授業では「人々の役に立つ」ことに焦点を当て、「社会をよくする」ためのプロジェクトが行われてきた。
「毎年、個人あるいは団体を選んで、その活動に役に立つものを製作しています。その過程で生徒たちは何が本当に必要とされているのか、それを学校にある道具でどのように製作するのか、そしてそれを他の人々にも利用できるように公開するという活動をしてきました」とジグラー氏はフォックス・ニュースのインタビューに答えている。
昨年11月から始まったあるプロジェクトは、今年3月に男の子を出産した同僚の教師、チェルシー・キングさんの夫であるジェレミーさんためのものだった。ジェレミーさんは3年前に受けた脳手術以来、バランス感覚に問題が生じ車椅子生活を送っている。車椅子に座っていると生まれたばかりの子どもをベビーカーに乗せて外出することが難しい。そこで安全かつ操縦が容易で、車椅子に簡単に装着できるベビーカーの製作に取り組んだのだ。
高校生たちは二つのグループに分かれて、それぞれ別のデザインで開発を進めた。
一つのグループは車のチャイルドシートを直接車椅子に設置するデザインで製作し、もう一つのグループはは車椅子を既存ベビーカーに接続するデザインで製作した。出来上がった二つのモデルは両方ともジェレミーさんに贈られたという。
製作方法はオンラインで公開しており、同様の問題を抱えた人々に利用してもらいたいという。