ホノルル市は、アルコールを提供する約850のバー、ナイトクラブ、レストランに対し、オピオイド関連の過剰摂取に対処するためのナロキソン点鼻薬の常備を義務付けることが決定したとホノルル・スター・アドバタイザーが報じている。
ホノルル市議会は12日(水)、来年1月1日に施行される予定の法案28の第3回最終読会を行い、7対0で可決した。なお、アンドリア・トゥポラ議員とラディアント・コルデロ議員は欠席した。
タイラー・ドス・サントス=タム議員が3月に提出したこの法案は、この種の法案としては国内初となる。米国食品医薬品局(FDA)がオピオイド特効薬のナロキソンの商品名であるナルカン(Narcan)を店頭販売することを初めて承認したのはその4カ月前のことだ。
これを受け、リック・ブランジャルディ市長は22日(土)までに法案に署名する必要がある。市長は12日(水)午後に発表した声明で、今回の法案可決は重要なマイルストーンであるとし、「フェンタニルが私たちの街に及ぼす危険な影響は、いくら強調してもしすぎることはない。過剰摂取による死亡者が驚くほど増加しているのを目の当たりにしており、医療制度や第一応答者に与える深刻な負担は特に大きい。この法案にできるだけ早く署名することを楽しみにしている」と述べている。
影響を受ける企業がナロキソンを入手するのを支援するため、ホノルル市種類委員会(HLC)は、すべての酒類販売免許取得者に無料の「スターター用量」を提供することに同意した。ドス・サントス=タム議員は、現在から1月1日の実施までの間に、「我々はこの件に関して先手を打つことができ、また、オピオイド合意金を使って、バーやナイトクラブのオーナーが無料でこれを手にすることができるよう支援することが可能だ」と語った。
また、今回の法案28の可決によって、州保健局(DOH)が非営利団体「ハワイ・ヘルス&ハームリダクション・センター」(H3RC)と提携し、ハワイの全住民にナルカンを無料で提供することも決まった。同局はまた、ハワイの各郡のすべての酒類販売免許取得者に2回分のナルカンを提供することに合意している。
DOHは、2017年8月から2018年8月までの州内のオピオイド過剰摂取による死亡者数を59人と報告している。2020年までにその数は274人に急増し、364%の増加となっている。
なお、鼻腔スプレーのナルカンの使用は一般的に安全であると考えられており、現在ホノルル消防署員、救急隊員、HPD警官が使用している。また、オピオイドの過剰摂取ではない意識のない人に誤ってナルカンを投与したとしても、危険な副作用や健康上のリスクはないとされている。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.7.13)