チキンウイング(鶏手羽先)の有名チェーン店である「バッファロー・ワイルド・ウイングス」で販売されている骨なし手羽先が、実際には鶏の胸肉のチキンナゲットであるとして、集団訴訟が起こっているとインサイダーが伝えている。
同メディアが入手した法廷文書によると、米在住のエイメン・ハリスさんは、「バッファロー・ワイルド・ウイングスの骨なし手羽先の虚偽で欺瞞的なマーティングおよび広告に異議を申し立てる」ために、10日(金)、イリノイ州北部地方裁判所で訴訟を起こした。
訴訟は、同社の骨なし手羽先は、実際には鶏むね肉を揚げたもので、手羽先というよりはチキンナゲットに近いものであるとし、本来の骨なし手羽先が意味する「骨を抜いただけの手羽先」とは異なるため消費者に誤解を与えると主張。「消費者は商品名の平易な意味を信頼し、約束されたものを受け取ることができるはずで、このような明らかな虚偽広告は許されるべきではない」としている。
同社は2003年に骨なし手羽先を導入し、2019年にレシピを更新。当時のプレスリリースでは、年間1億本近くを販売していると述べている。またメニューでは、骨なし手羽先は「軽くパン粉をつけたオールホワイトチキン」と説明されている。
訴訟では、他社の同様の商品についても言及。「パパ・ジョンズ」では同様の商品を「チキン・ポッパーズ」と名付けているほか、「ドミノ・ピザ」でも「骨なしチキン」は販売しているが、メニューには100%鶏むね肉から作られていると表示しているという。訴訟では「これらの他店のように、バッファロー・ワイルド・ウイングスも商品名について注意する必要がある」と述べている。
裁判資料によると、今回の訴訟でハリムさんは、不特定多数の懲罰的損害賠償、弁護士費用、陪審員裁判、および裁判官が適切と考えるその他の損害賠償を要求している。
ハリムさんはまた、少なくとも他3件の集団訴訟を起こしている。「トムズ・ウイックド・フレッシュ・マウスウォッシュ」の「ナチュラル」表示や、「カインド・グラノーラ」の「食物繊維が豊富」表示は不適切であるとし、「ヘフティ」のゴミ袋はリサイクルできないので「リサイクルバッグ」と表示すべきではないと主張している。なお、ヘフティの訴訟は8月に棄却されている。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.3.13)