ホノルル消防署は6日(月)午後、立ち入り禁止となっているハイク・ステアーズ(通称「天国への階段」)で負傷したハイカーを救助した。ハワイでは、こうした違法なハイキングで救助が必要になるケースが後を絶たず、長年にわたり問題視されているが、このほど違法ハイカーに救助費用を請求する法案が議会で審議されている。
ハワイ・ニュース・ナウによると、この法案は、警告標識を無視したり、トレイルを離れて立ち入り禁止区域に侵入したり、違法なハイキングに出かけた個人を告発するものだという。ハワイ消防士協会のボビー・リー会長は、「人々が学ぼうとしないのなら、他の手段に出るしかない」と語り、違法ハイカーに救助費用を請求する今回の法案に賛成の意を示している。
ホノルル消防署によると、ヘリコプターを飛ばすには1時間あたり約2500ドルかかり、空輸にはおよそ2時間かかるという。過去2年間のココヘッドでの救助活動は40回で、総額10万ドルにのぼる。
ところが、ホノルル消防署やホノルル警察署は、今回の法案には反対の姿勢を取っている。ボランティア団体のオアフ島サーチ&レスキュー(OSAR)も反対しており、この法案は逆効果になる可能性があると主張する。「本当に助けが必要なときに救助要請をせず、さらに最悪の事態を招くことになる。ハイカーにとってはもちろん、救助を行う側にとっても危険を招く可能性がある」と、同団体のピアソン・ポメランツ会長は語っている。
これに対し、公共安全委員会の議長であるグレン・ワカイ州上院議員は、「心臓発作や足の骨折など、切迫した状況下で人は迷っている余地はない」とし、常識的に考えて救助要請をするだろうと述べている。また同議員は、ハワイは他の6つの州と一緒に捜索・救助にかかる費用の回収を試みるべきだとも述べている。
シェアする
写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.3.7)