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【ハワイニュース】エコロジカルな葬送形態「アクアメーション」とは?ハワイ州で近く合法化の見込み

ハワイ州では、環境に配慮した遺体処理方法「アクアメーション」を合法化する措置が進められている。アクアメーション合法化が盛り込まれた法案は、州保健局、福祉局、ホームレス委員会を通過し、8日に開かれる上院議会で審議される予定。

アクアメーションは現在、カリフォルニア州やネバダ州など、米国の19の州で合法化されている。ハワイ州におけるアクアメーションの合法化は、火葬よりも遺骨が多く残ることで、遺骨を神聖なものと考えるネイティブハワイアンにとって有意義なものになるという意見がある。

アクアメーションは、近年、環境に配慮した葬送形態の1つとして注目されており、水火葬(Water Cremation)、アルカリ性加水分解(Alkaline hydrolysis)、火なし火葬(Flameless Cremation)とも呼ばれている。

この形態では、遺体は専用の機器の中に入れられ、水酸化カリウムと水を混合した強アルカリ性の液体につけられる。その後、液体の温度は約160まで上げられ、遺体は溶解処理される。処理にかかる時間は46時間。処理後は遺骨が残り、火葬よりも30%以上多く遺骨を残すことが出きる。

火葬の場合、遺体を焼却する際に水銀などの有害物質が大気中に放出されるが、アクアメーションによる遺体処理の際は、それらが放出されることがない。また、火葬に比べ、アクアメーションの消費電力は8分の1、二酸化炭素排出量は4分の1以下になる。

また、アメリカでは、一般的に「エンバーミング」という保存処置をした遺体を棺に入れ、埋葬することが多い。この場合、エンバーミングで使用されるホルムアルデヒドなどの化学物質や、遺体に含まれるウィルスや細菌などの有害物質が土壌汚染の原因になる。さらに、エンバーミングよる埋葬は、人が亡くなるたびに埋葬する土地が必要になることや、遺体の処理、棺などで葬儀費用が高額になる。

一方、遺体を液体と遺骨に分解するアクアメーションでは、遺体に含まれる有害物質が不活性化されるため、土壌汚染の原因にならない。また、埋葬する土地を必ずしも用意する必要がなく、葬儀費用も抑えられるという利点がある。

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写真:Shutterstock.com

 

(日刊サン 2022.2.4)

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