ハワイ州では現在、自動車を運転中に携帯電話を含む電子機器の使用を法律で禁じている。(警察や救急などの通報のための911への電話利用を除く)
また、運転手が18歳未満の場合には、運転中にハンズフリー(手を使うことなく操作できる)の電子機器を利用することも禁止されている。
下院議員のヘンリー・アクィノ氏が提出した法案1692では、この法律に違反したすべての運転手に対して罰金を課し、罰金を州の高速道路基金として徴収することを提案している。
そして、スクールゾーンあるいは建設工事地区内を運転中に同法に違反した場合には、罰金を州財務局へ支払うことになる。
この法案が提出された下院司法委員会の委員長を務めているマーク・ナカシマ議員によると、この法案では罰金の金額については具体的に記載していないが、委員会としてはそのままの状態で進めていく予定だとKHONが伝えている。
提出したアクィノ議員は州財務局と具体的な金額を相談しており、運転中の電子機器利用に対しては297ドル、スクールゾーンあるいは建設工事地区内での違反については347ドルを検討しているという。
ハワイ州運輸局によると、2020年に電子機器などの利用によって集中力を欠いたことが原因とされる交通死亡事故は14件で、2021年には27件に増加している。
運輸局の報道担当であるジェイ・カニンガム氏は「2019年にハワイ州で起こった交通死亡事故の34.3%は運転に集中していない状態で起こっています。携帯電話で会話していたりしたのですが、この数字は非常に大きく、しかも簡単に防ぐことができるものなのです」と述べている。
運転に集中していなかった状態とは、携帯電話の利用だけでなく、運転をしながら飲食する・化粧する・髪を整えるなどの行為が含まれており、路上から目を離す全ての行動を指している。
過去3年間でホノルル警察はこれらの行動に対する罰金切符を13,000件以上発行しており、罰金切符を発行しない口頭での警告は3倍にのぼる。
ホノルル警察交通局のジェームズ・スレイヤー警部によると、交通事故が起こったときに携帯電話を手にしていたという事例が非常に多く、運転中にTikTok(ビデオ投稿)をしていた運転手もいたという。
ホノルルでは、歩行者が歩きながら電子機器や携帯電話を使用することも法律で禁止している。
ハワイ島では1月に4件の交通死亡事故が起こり、6人が亡くなっている。
今年に入って大きな交通事故が多発しているため、ミッチ・ロス市長が住民に対して安全運転を心がけるよう呼び掛けている。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.2.4)
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