今ハワイ州の最低賃金は時給10.10ドルだが、ハワイ州議会ではこの金額を引き上げようとしているとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
先週州上院は、10月1日から最低賃金を12ドルに引き上げる法案を提出した。
この法案では、最低賃金をその後2024年1月1日から15ドルへ、2026年1月1日から18ドルへ引き上げることを求めている。
最低賃金の引き上げについて上院委員会と共に下院にも提出されるという。
ハワイ州での最低賃金は2018年に時給9.25ドルから10.10ドルに引き上げられている。
今年の初めカリフォルニア州は、25人以上の従業員を雇用する事業者に対して最低賃金を時給15ドルとする法律を施行する初めての州となった。
今回の最低賃金の引き上げについて、引き上げ自体は喜ばしいがハワイでの生活には十分でないという声が上がっている。
最近のインフレーションであらゆるものの価格が上昇しており、最低賃金が上がっても生活が豊かになるわけではないという。
また、公共政策調査を行っている非営利団体「グラスルート」では、ハワイの最低賃金の大幅な引き上げについて懸念を表明している。
「労働者世帯を支援する努力としては評価できますが、最低賃金を急激に2倍にまで引き上げるというのは労働者世帯の助けにはならないと思います。ハワイのビジネスはロックダウンによって経営に大きな打撃を受けました。そして今最低賃金を上げるとなると、経営者は労働時間を削減したり、雇用を止めたりせざるを得なくなります。急激な賃金引き上げは人々の暮らしを豊かにするのではなく、反対に雇用を減らしたり、手取り金額が少なくするという調査結果が出ています。ハワイでの生活を支援するためには、税金を少なくすること、雇用者側のコストを上げて雇用を減らしたり住宅コストを上げるような政策をやめることが重要です」
一方、困窮家庭に様々な支援活動を行っている非営利団体「アロハ・ユナイテッド・ウェイ」では今回の最低賃金引き上げを歓迎している。
生活コストの高さのためにハワイ州の多くの世帯は経済的に苦しんでいるため、最低賃金が18ドルになっていくのは、人々がハワイ州でベーシックな生活をしていくために必要なことだと述べている。
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写真:
(日刊サン 2022.1.24)