ハワイの飲食店が店内での営業をクローズして２ヶ月。一時休業した店や、テイクアウト専門で営業を続ける店、オンラインのデリバリーサイトに加入した店など、営業体制はさまざまだ。
厳しい制約の中、各店メニューに工夫を凝らし、SNSにお薦め料理などをアップして、ステイホームを続けるユーザーに情報発信をしている。
そんな中、テイクアウトにスムーズに移行し、連日人気の店がある。『とんかつ玉藤カパフル店』だ。
３年前にオープン以来、毎日、雨の日も風の日も、店の前には順番を待つ人が溢れるほどの人気が続いている。列に並んで食べるなんて習慣のない、ローカルでさえ忍耐強く待ってまで食べたい、とんかつなのだ。
その、２時間３時間待ちの抜け穴として、以前から活用するファンが多かったのが、テイクアウト。行列に並ばなくても電話で注文すれば、いつでも30分ほどでピックアップできる。揚げたての熱々を急いで持ち帰り、自宅でとんかつ玉藤を食べる顧客層が蓄積されていたのだ。
テイクアウトのみの営業を迫られた当初は、持ち帰り用の容器を確保するのさえ大変だった飲食店の中で、玉藤は以前からオリジナルで使っていた詰め合わせ容器をそのまま使えた。詰め合わせの場合の食材の分量などにも慣れていたので、難なく対応できた。
玉藤に、精米したてのななつぼしを納品している米店は、「玉藤さんはテイクアウトだけになっても、お米の配達量が変わりません。人気なんですね」と話す。
とんかつに使う豚肉は、特注して２週間熟成した肉を使用。甘みのある脂身までもが美味しい看板のロースと、柔らかくて上質な味わいのヒレは、余熱まで計算した絶妙の火入れで揚げられている。自家製生パン粉は、ラツゥールから仕入れた角食パンを３日ほど寝かせて、その日に使う分だけおろしている。
揚げ場には直径60センチ、50リットルもの油が入る銅鍋が２つ並んでいる。温度の違う油を使い分けて揚げるのだ。
香ばしいきつね色に上がったとんかつは、衣はサクッとクリスピーで、肉と離れることなくみごとに一体となっている。衣の中の肉は旨味を一つも逃すことなくジューシーで、分厚いのに歯切れが良い。 あ〜こうして書いているだけで食べたくなります！
