ウイスコンシンで独り言 ボランティア
ハワイからこちらに引っ越してから、いろいろボランティアを試して、今は一つの所に落ち着きました。そこは非営利団体のお店で、衣類、家具、調理道具など様々な団体から寄付された物を販売しています。この店での収益は恵まれない人達に活用されていると聞いています。
書籍部
妻と私は本を扱う仕事で、写真集、料理、雑誌、小説、絵本、教科書など倉庫で分類された物を売り場に持ち出し、作者の名前などでアルファベット順に書籍を棚に並べる仕事です。いろんな書籍を手にして楽しい仕事なのですが、問題は…ほとんどの商品が1ドルほどとお値打ちなので、ついつい自分が買ってしまうことです。それでも、「本に囲まれてる」っていうことに満足感を覚えています。それはちょうど、孫に囲まれてるとか、お花に囲まれていると嬉しいっていう感覚に似ていますね。
働く人たち
自分達の書籍部では一人を除き、9人ほどのボランティアで運営されています。みんな熱心な人が多く、働いてる間はほとんど休憩とかおしゃべりをしません。その理由には煩雑にコンテナで運ばれてくる、本やDVDなどの量が半端な量でないので、その仕分けに時間がかかること。それとそれを店内の棚に並べるにはアルファベット順に並べるのと、大きさ、厚さなどがまちまちだったりして、ごっそり本の並び替えをしなくてはならず時間がかかります。
私たちは週に一回だけのボランティアですが、他の人たちは最初は週一回で始めて、段々責任が増えて毎日来ている人もいます。入荷の書籍はすべて寄付で人件費がかからないので、本などは安く販売できています。
お客さんはどんな人?
そこの店内で本を並べていると常連さんに出会い、挨拶したり、二言三言言葉を交わすこともあります。その中には身障の子供の介護で家にいることが多いので、いろんな本が必要という人が定期的に来るかと思うと、遠くから町に来ると、この店でロマンスの本をごっそり買っう人や、料理や歴史に興味があって来店する人もいます。
「せどり」といって、携帯電話でアマゾンでいくらで売れるか調べて、売れる物を大量に買って行く人もいます。それから、時折CDとかDVDの中身だけ取っていく人がいますが、わずか1ドルでも払いたくなのでしょうか? ちょっと残念です。
週一回の楽しみ
自分達はこのボランティアを3年前から始め、毎週くることを楽しみにしています。それは週一回のそれも午前中だけなのであっという間に時間が過ぎ、自分達の生活に負担になってないこと。それと時折、日本に関する本やあまり聞いたことのない日系人の本に出会ったり、以前から読みたいと思っていた本に巡り合うっていう楽しみがあります。
それから、家にいては出会わないであろう、お店の常連さん達との軽い会話などから、自分達の住む町のいろんな面が見えてくることです。
とどけMahalo! アメリカ本土便り No.111
大井貞二(おおいさだじ)
1988年にハワイに移住。地元の私立校で日本語を教える。その後、ハワイ大学大学院を経て、ハワイパシフック大学(HPU)にて世界中からやってくる学生に日本語を教え、最近退職。現在アメリカ本土に居住。
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