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コラム とどけMahalo! アメリカ本土便り

ウイスコンシンで独り言 テキサスへの道(13)

2,250キロの道のり

 テキサスのサンアントニオから私達の住む町までの距離は約2,250キロメートルです。これは日本でなら函館から鹿児島まで縦断するような距離です。高速道路をずっと走り続けても、まる一日かかる距離です。途中仮眠を取りながら、運転を交代して行けば、一日半くらいで行けるかもしれないし、車の長距離運転が気にならない人なら一泊二日の旅程かもしれません。実際、私の知っている人にウイスコンシンからニューヨークまで1,600キロの距離をほぼ一日半で出かけてしまう人がいます。でも、私達は無理しないで行きは2泊、帰りは同じ距離を3泊で帰りました。

 帰りの第1泊目はサンアントニオからダラス。440キロほどの距離で到着してから、あのケネディー大統領が暗殺された場所や植物園を見、翌日はアーカンソーのリットルロックへ立ち寄り、3泊目はイリノイ州都のスプリングフィールドで泊まり、ウイスコンシンへ帰りました。

 計画を立てた時点ではちょっと3泊もするなんて、何とものんびりな旅行だなと思いましたが、テキサスは今急速に発展していて、あちこちの高速道路で拡張工事などしています。ダラスの町を出る際には超ノロノロ運転となり歩いた方が早いよう道が延々と続きました。毎日ダラスの人達はこんな渋滞を経験しているのでしょうか? それにしても、こうした高速道路工事でどの程度時間がとられるのかわからないので、無理な計画を立てなくてよかったって思いました。

 2泊目はアーカンソーの州都リトルロックでしたが、途中ひどい雨に遭遇しました。視界が遮られるような激しい雨で、おまけに走行中には大型のトレーラーに囲まれ、そのトレーラーから水しぶきをかぶせられ、かなり緊張して運転をしました。

 そして3泊目はイリノイ州スプリングフィールド。この町は州都としては規模が小さく、エイブラハムリンカーンいわれのある施設がありました。

 こうしてのんびり帰って来たわけですが、帰るにあたり、毎晩翌日の道路状況や天候、気温などを調べ、紛らわしい箇所など無いか確認し、距離やかかるであろう時間などを想定して、まるでパイロットの飛行計画のような走行計画を立てていました。毎日高速道路で車を走らせている間は目的地のこと、目の前のことしか考えません。いつも先のことのみ、先の工事や天候のことだけ考えて、振り返ることはしませんでした。

 そして無事この旅を終えた時には、何か成長したような気がしました。まさかこの年になって「成長」するなんて、と思いつつも、この4日間ただひたすらまっすぐ前を向いて、後を振り返らない時間を持ち、宿泊地での短い滞在から新たに知ったり、考えさせられる経験もしました。帰った際には、アメリカ本土の南北に縦断する旅はこれで十分って思いつつも、しばらくするとまた遠くまで車で出かけてもいいという自信のようなものもつきました。

とどけMahalo! アメリカ本土便り No.131

大井貞二(おおいさだじ)

1988年にハワイに移住。地元の私立校で日本語を教える。その後、ハワイ大学大学院を経て、ハワイパシフック大学(HPU)にて世界中からやってくる学生に日本語を教え、最近退職。現在アメリカ本土に居住。

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