コンド住民の集まり
自分達の住むコンドでは毎年夏と冬に食事会をしています。冬は12月にレストランで、夏はコンドの前の駐車場で椅子やテーブルを並べての簡単な食事会です。去年はコロナ禍で中止となってしまったので、先週久しぶりの集まりとなりました。
どんな料理を用意するかとかその準備で面倒なこともありますが、住民同士が集まって、近況を語り合うことはとても大切なことと思います。わずか18軒の小さなコンドですが、この集まりがなければ、ほとんど顔を合わせなかったり、どんな人が知りえないことがあります。
人見知り
このコンドの住民はほとんど地元で生まれ、育った人ばかりで、あまり自分の住む地域以外に関心を持っていません。そんな意味で地元のことに詳しくない自分は疎外感を感じることがあります。それであまり地元のことばかり話されると、話についていけませんが、このコンドの人の中にはあまり外出しない人も多く、最近できたレストランとかお店の話をするとこちらの方がよく知っていることもあります。
それと白人と言われる人の中にも、内気な人や無口な人は結構います。ちょうど日本人ばかりの集団でおしゃべりな人、よく笑う人、うわさ好きな人などいろんな人がいるのと同じです。
独りぼっち
このコンドの住人は一生独身の人や、伴侶を亡くして、一人暮らしの人が多いですが、それでも、いつも外出して、忙しく動き回っている人がいる反面、家の中に閉じこもっている人もいます。いつも一人で家の中で全く外との接触を断つのは精神的に良くないですね。これは退職して、社会との関わりが薄れている自分への警笛であります。じっと家にいて、一人で何していようと自由ですが、外との関わりは失わないようにしたいです。
そうは言ってもいくら社交的で友達が多かったりしても、人間は多かれ少なかれ「孤独」ではないかって思うことがあります。
「あんたたちはいいね」
同じコンドでいつも忙しくしている一人暮らしのAさんが、いつも二人で行動している自分達を見て、そんな言葉を漏らしたことがありました。Aさんには子供が近くにいるし、友人がいるし、ボランティアなどで忙しくしてても、ふっと寂しくなることがあるのでしょうか? 毎年のコンドの集まりでは自分はウイスコンシンの人とは、共通点も多くなく、関心事や興味も異なり、自分は孤独って思う事があります。でも、この集まりにやってくる人達も多かれ少なかれ、地元であろうとなかろうと、子どもがいるかどうかとか、結婚しているかどうかも関係なく、自分のことを理解してもらえることはなく、人はみな孤独って思います。
この同じ屋根の下で生活している自分達、そういった一つの共通点を除けば、みんな考えも生活も違います。でも久しぶりに出会って、おしゃべりの時間を持つことの大切なことを考えていました。
とどけMahalo! アメリカ本土便り No.109
大井貞二(おおいさだじ)
1988年にハワイに移住。地元の私立校で日本語を教える。その後、ハワイ大学大学院を経て、ハワイパシフック大学(HPU)にて世界中からやってくる学生に日本語を教え、最近退職。現在アメリカ本土に居住。
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