ウイスコンシンで独り言 「夢を追う少年」
ある人に勧められて、「アルケミスト」と言う本を読みました。この本はパウロ・コエーリョ(ブラジル人)の作品でポルトガル語で1988年に出版され、人気を博してその後、いくつかの外国語に訳されたました。この本は主人公の少年(サンチャゴ)が自分の快適な生活を投げうって、エジプトのピラミッドがどこにあるかもわからないままあてのない冒険の旅に出て、危険を乗り越えてサハラ砂漠を超え、やがて宝物を探すという壮大な物語です。そして最後の最後に探しあげた宝物とは……。
この結末を読んで思いました。人は幸福とか理想の場は何か遠くにあるような錯覚を持つが、本当は身近にあるのではということです。僕自身、日本を離れ外国で生活し、この物語の主人公サンチャゴのようにあちこちを見てきました。住んでもいいなっていう気に入った所も数々ありましたが、最終的に感じることは日本、自分の生まれ育った場所への郷愁です。毎日子供の頃食べていた物が自分に一番合ってて、いつも周りにいた人達が結構いい人達だったという発見です。こんなことを発見するため、僕は旅をしたのでしょうか?
この話の後、「オズの魔法使い」の映画の最後の言葉を思い出しました。「there’s no place like home(故郷ほどいい所はない)」という言葉です。いろいろあっても自分が生まれた所、育ったところが一番っていう感じです。ハワイで住む人にはそれに同意される人、そんな風に感じない人、いろいろと思いますが、自分の故郷、自分の育った環境を外から見られたということは、ある意味でいい経験をさせてもらったとは言えるのではないでしょうか?
この本は日本語にも訳されていて、結構大人が読んでいるようです。自分は英語の本で読みましたが、YouTubeの英語のaudiotapeで朗読を聞くこともできます(下のB)。
僕は字幕が出てくる画像を見ながら、Audiotapeを聞きながら楽しみました(下のA)。YouTubeのサイトへ行って、下の検索ワードをタイプすれば閲覧できます。
A) Learn English Through Story・Subtitles: The Alchemist by Paulo Coelho(英語朗読と英語字幕付き)
B) The Alchemist │ Paulo Coelho │ Audio Book(かなり早めの英語朗読)
とどけMahalo! アメリカ本土便り No.79
大井貞二(おおいさだじ)
1988年にハワイに移住。地元の私立校で日本語を教える。その後、ハワイ大学大学院を経て、ハワイパシフック大学(HPU)にて世界中からやってくる学生に日本語を教え、最近退職。現在アメリカ本土に居住。