このゲームは、アドバンス・ケア・プランニング（Advance Care Planning ：ACP）にとても役立つそう。ACPとは、将来の意思決定能力の低下に備えて、患者やそのご家族とケア全体の目標や具体的な治療・療養について話し合うプロセス（過程）。もしものための話し合いのことをいい、「個人の意思の尊重」を知るうえで重要なプロセスです。 

　ゲームは、あなたが「最期」を迎えるにあたり、重病や死期が迫っているときに、人々がよく言う「大切なこと」が書かれています。カードには、人々がどのように扱われたいか、誰にそばにいて欲しいか、何が重要かを説明する言葉が記されています。そのフレーズは、米国の研究結果に基づき、「人生の最後に望むであろう35の言葉」が選ばれていて、プレイすることで、どのように考えているのかを知ることができます。このゲームが、あなたの最期に対するインタビュアーになっているのです。 

日本の介護老人保険施設等でも人気 ゲームはなんのために使うのか？ 

「自己の価値観を他者と共有する」ことがアドバンス・ケア・プランニングでは重要。では、読者の中で、他者と自分についてを共有する以前に、そもそも「今現在の自分にとって何が大切か、大切でないか」をパッと答えられる人はどのくらいいるでしょうか。人生において大切なことをわかっているようでいて、意外と答えられない人も多いのではないでしょうか。「もしものとき」、それらがパッとわかる人もいるかもしれませんが、頭の中が真っ白でそれどころではなくなってしまう、なんて人もいるかもしれません。

 　このゲームは、「もしものとき」自分自身や自分の思いを代弁してくれる人たちが困らないように、自分自身のことをじっくり考えたり、また自分の思いを代弁してくれる家族や友人と話し合ったりする助けになると日本全国70以上の高齢者施設で導入されているとのこと。「Go Wish Game」「もしバナゲーム」はゲームを通じて、人生において大切な「価値観」や、自分自身の「あり方」について様々な気づきを得ることができるといいます。介護資格のあるプレーヤーはこう語ります。 「日によって、選ぶカードが変わります。『今の自分は、こういう価値観を大事にしているんだな』という気づきになり、自分の心理状況を確認できるのです」

　どちらもAmazonなどで購入可能です。