生理痛とPMSはなぜ起こる?
女性なら誰でも一度は生理痛やPMSに関して、気になったことがあるのではないでしょうか。今回は、生理痛やPMSが起きる原因を、アーユルヴェーダの視点からお話しさせていただきたいと思います。
アーユルヴェーダでは、病気と診断される前の不調の度合いにも名前があるほどで、「不調」が「病気」になる前に改善をすることが健康維持だと考えられています。生理痛やPMSは、不調のサインです。本来、体と心のバランスが調っている場合は、生理痛もPMSも起こらないのです。
生理痛とPMSは、風と空間のエネルギーであるヴァータの乱れのサインの可能性が高いです。風のエネルギーを想像してみてください。フットワークが軽いという利点がある反面、乱れのきっかけがあると、ずっしりと腰を据えていることができないという欠点もあります。この原因は色々ありますが、目まぐるしく忙しい生活スタイルなど、生活習慣から乱れが始まることが多いです。また、乾燥、寒い気候など、外的な要因が影響を与える場合もあります。基本的には、ヴァータを鎮めることを意識すると、少しずつ改善されていきます。
ヴァータを鎮めるために、まず、なるべく体を温めましょう。ヴァータは「冷たい」という性質がありますので、お食事は温かいものをいただきましょう。アイスクリームや冷たい飲み物は、ヴァータを乱します。また、衣類も寒いと感じている時には靴下を履くなど、手首、足首、首を温めるイメージを持つと良いでしょう。
次に、必ず10時までに就寝し、8時間の睡眠をとりましょう。ヴァータの乱れには、休むという行為も大切にしてあげてくださいね。
もう一つできることは、乾燥を避けることです。ヴァータは「乾燥」という性質も持ち合わせていますので、油分を摂ることをお勧めします。体の内側から潤いを与えましょう。仮にPMSや生理痛を感じていなくても、肌の乾燥が強い場合は、ヴァータが強い体質の可能性もあります。その場合は、ごま油やギーなど、良質な油を毎食の食事に取り入れましょう。毎食、大さじ1から大さじ2程度の油分を加え、体の内側から潤いを補いましょう。
生理痛やPMSを感じているときは、ヴァータを乱す原因があったのかも、と生活を振り返ると良いでしょう。基本的には、ヴァータが穏やかになることで改善が期待されます。
次号では、生理の周期に関するお話をさせていただきます。
お楽しみに!
幸せ修行 No.236
加藤ジェシカ
世界中50か国以上を旅する中で、地球にはエネルギーのような何かが存在することに気づく。2017年、ヨガの勉強を通してアーユルヴェーダに出会い、渡印。日常に寄り添うアーユルヴェーダがテーマ。