健康にまつわる話題は尽きませんが、みなさんにとっての「健康」とは何でしょう。例えばインドでは、毎朝排便がないことは不調のサインと認識することが多いです。排便は健康をチェックする上で重要ですが、体内の状態と健康は、どのように捉えたら良いのでしょう。
アーユルヴェーダ健康を語るときにまず確認するのは、消化の状態です。消化する力が弱い、あるいは強すぎる場合は栄養を体が吸収できませんので、便、皮膚、爪、髪など、目に見える箇所に症状が出てきます。
例えば、消化する力が弱っているときに揚げ物などを食べると、胃に負担を与えるだけで消化が難しくなります。消化できずに胃に残ると、臭いおならが出たり、便通が悪くなるなどの症状が表れます。逆に、消化する力が強すぎると十二指腸潰瘍をはじめとする胃腸系の病気にかかります。
いずれの場合も、消化できる食材を、消化できる量を食べる必要があります。冒頭に触れた排便も、健康を把握する上で役に立ちます。例えば、排便があっても軟便や極端に硬い場合は、体からのサインと捉えると良いでしょう。理想は、毎朝起きてすぐに1度の適度の硬さの排便が起きることです。回数は人によって異なりますが、1回から3回の排便が目安でしょう。
カロリー計算やタンパク質量などの栄養表示に惑わされないようにしてください。パッケージに記載されている数値が完璧でも、自分の体が消化できない場合は、栄養にならないことは容易に想像できると思います。疲れている時などは外食や加工食品を避け、お米や野菜など消化しやすいものを食べて体調を観察してみると良いでしょう。
大きな不調が無くても、肌の乾燥、ニキビ、湿疹などは、体内の状態を表している場合が多いです。体からのサインを感じたら、食生活を見直してみることをお勧めします。
アーユルヴェーダでは、病気は6つの段階があると言われており、1~4段階は、肌の乾燥などの軽微な症状として表れますので、多くの人は不調と認識していない場合がほとんどです。
アーユルヴェーダでは、健康は肉体だけの話ではありません。私たちの心の状態も健康に強く関わると考えられています。体の状態が良いと、精神的にも安定しますので、心の健康にもつながります。昨今瞑想の大切さについて耳にしますが、肉体が健全でないと、瞑想中に落ち着いていることは難しいでしょう。
体内の状態が安定していれば、自然と瞑想がしやすい体になっていきます。肉体と心の状態が穏やかであることが、健康の定義のひとつの答えになりそうですね。
幸せ修行 No.251
加藤ジェシカ
世界中50か国以上を旅する中で、地球にはエネルギーのような何かが存在することに気づく。2017年、ヨガの勉強を通してアーユルヴェーダに出会い、渡印。日常に寄り添うアーユルヴェーダがテーマ。
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