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デジタル版・新聞

不動産建築コラム

昔の法規がそのまま適用される条件

 古い建物を取り扱う際、昔は合法だったことが今は違法であるということは多々あります。長らくそこに存在しているというだけで違法になるということではなく、建った当時の法規が適用されるため問題がありません。今回はそういった「grandfather policy(既得権)」についてご紹介します。 

 

ワイキキのコンドミニアムは建て替えられない!? 

 ワイキキに古いコンドミニアムやホテルが、当時のままの状態でたくさん建っているのは法規に起因することがほとんどです。40年ほど前に建設された当初から、建築に関する法規が大きく変わりました。特に容積率が大幅に削減されてしまったがために、今のコンドミニアムを取り壊して新築にしようとしても、今よりも小さい建物しか建てられないために採算が合わず、建て替えができないという問題があります。また、カピオラニパーク横の海沿いのコンドミニアムやホテルに関しては、ダイアモンドヘッドへのビューを妨げるとして、今ではあの一帯に新築を建てること自体認められていません。数少ないオーシャンフロントであることも価格高騰の一因ではありますが、今後同様な建物が建設されることがないという希少感も価格に影響していると思われます。今後も改修をしながら大切に管理されていくことでしょう。 

 

大幅改装をすると現行の法規が適用

  建物には時価総額というものが存在します。鑑定する専門業者に依頼をすると、個々の建物が今現在いくらの価値があるのかを算出してもらえます。その価値の半分以上の規模の工事を行うと、昔の法規はもう適用されず、現行の法規に沿う必要が出てきます。特にワイキキでは基礎が海抜よりも低いという立地が多いため、最も頻繁に直面するのが洪水に関する法規への対応です。地面から4フィート(1.2メートル)は洪水のリスクが非常に高いため、その高さまで水嵩が増しても何ら問題がないようにしなくてはならない区域があります。屋外であれば電化製品はその高さより下に設置することができなかったり、建物内に水が浸入することを防ぐような装置を設置せねばなりません。 

 その他、Easement(地役権)に既存の建物が建っているときや、消防法、セットバック等、数多くのケースがあるので、古い建物を改修・増築をされる際は十分に注意が必要です。

*建築に関して知りたいこと、ご質問のある読者の方は、下記までメールをお送りください。

 

コラム筆者:鵜飼 高生 Takao Ugai

建築士・AIA・LEED AP・博士(建築) 家庭塾長  Focus Design Studio LLC 代表取締役

明治大学建築学科卒業後、ハワイ大学マノア校で建築の博士号を取得。日米両国での建築設計実務経験がある、経験豊富なハワイ州登録建築士。

Email: [email protected]

(日刊サン 2020.06)

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