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デジタル版・新聞

コラム 来夏の映画観ようよ

クルエラ

 「ただ彼らの話を聞くだろう。今まで誰もそうしなかったんだ」。1999年のコロンバイン高校銃乱射事件後、犯人の少年がマリリン・マンソンの影響を受けていたと報道された。事件を題材にした映画“ボウリング・フォー・コロンバイン”にて「生徒たちと話せたら何と言う?」と問われた彼の冒頭の回答に、子供ながらに衝撃を受けた。アンチクライスト・スーパースター(マンソン)は、こんなに理知的な大人だったのか、と。

 

 生まれつき、白黒半分ずつの髪色を持つ個性的なエステラ。幼い頃からファッションセンスは抜群な反面、自分が正しいと信じることを貫くため問題行動が多く、学校を退学処分されてしまう。ロンドンへ引っ越す途中、母キャサリンは知人に資金援助を求める為あるパーティに立ち寄るのだが会場にいたダルメシアンに崖から突き落とされ、エステラは天涯孤独となってしまう。それから10年―。

 

 “101匹わんちゃん”のヴィラン、クルエラの過去を描いているということで冷や冷やしていた。なぜなら彼女はダルメシアンのぶち模様に魅了されてその毛皮を…という設定なので、愛犬家としてはディズニー史上最低の悪役だと思っていたからだ。が、蓋を開ければ印象は逆転!悲惨な境遇にめげず夢に挑戦し、ユーモアと才能を兼ね備えた彼女の姿に瞬く間に虜になった。1970年代が舞台であり、当時のロックテイストファッションにもグッと心を掴まれた。自称・元バンギャ(バンド好きな女子)にはたまらなく、デヴィッド・ボウイを彷彿とさせるメイクや衣装、ローリング・ストーンズの“悪魔を憐れむ歌”が流れていたのも憎い演出。とにかく、自分の知っている嫌なイメージのクルエラが覆される嬉しい展開だった。

 

 見た目や行動が悪っぽくとも、実はパフォーマンスであることは世の中多々ある。冒頭のマンソンもそうだが、セックス・ピストルズのボーカル、ジョニー・ロットンも知的な紳士だと聞いた。そう、人は見かけによらず、の良い例だ。

●加西 来夏 (かさい らいか)

映画は年間100本以上視聴、訪問国は39ヵ国~の旅する映画ラヴァー/カラオケに行ったら大体ロックを歌います。そしてウィスキーをロックで飲み始めたら…友人いわく言動がパンクスになるそうです。

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