【来夏の映画を観ようよ】ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密
「ジョニー・デップが降板?じゃあ、もう続編は見ないわ!」と怒り心頭だった母。が、マッツ・ミケルセンが引き継ぐみたいだよ、と告げると手の平を返した。「それならアリね。公開はいつなの」。
魔法動物を保護する心優しい学者ニュート。魔法を使えない人間=マグルを軽蔑し、純血の魔法使い達で世界を支配しようと企む危険人物グリンデルバルドは勢力を拡大しつつ、指名手配の身でありながら選挙で魔法界のトップに立つために必要な希少動物“麒麟”を捕まえてくるよう手下に命ずる。ニュートはそれを阻止すべく奮闘するもあと少しのところで奪われてしまうが、そこには一筋の希望が残されていた―。
実はニフラーが一番の楽しみで、金、銀と光る物に目がない彼は前回、グリンデルバルドから大切なものをくすね大活躍したのだが、今回も愛らしく、ユーモアたっぷりに重要な役割を果たしてくれる!それはさておき。本題は人間界と魔法界の均衡を保とうとするダンブルドア一派と、両界に君臨する野望を持つ闇の魔法使いグリンデルバルド一味の激闘だ。冒頭で述べたが、第二の主役と言っていいほど重要な存在、グリンデルバルドの配役が変更されたことによる影響は大いにあったと思う。ハリー・ポッターシリーズとは趣旨が異なり、主に大人向けファンタジー作品と位置付けているが、より拍車がかかったのではなかろうか。かつて“シザーハンズ”や“パイレーツ・オブ・カリビアン”でとびきりの夢の世界へ連れて行ってくれたジョニーとは対極にあるといって過言ではないマッツ。ところどころ「魔法無しでもナイフ一本で殺生出来るよね」と思う場面があり、だがそれがまた冷酷な魔法使いという強烈な印象を与えてくれ、悪役として最高だった。どちらが好みかは人それぞれだろう。
離れ離れになってしまったクイニーとジェイコブの恋の行方、クリーデンスの真の出自、そしてグリンデルバルドが本心ともとれる言葉をついダンブルドアに投げかける一幕…大人のファンタジーをぜひ堪能あれ。
●加西 来夏 (かさい らいか)
映画は年間100本以上視聴、訪問国は39ヵ国~の旅する映画ラヴァー/ジョニーは結局“パイレーツ・オブ・カリビアン”の続編も降板…さよならも言わずに去っていくスタイルが、ジャック・スパロウ船長らしいといえばらしいですが正直悲しいです。
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