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デジタル版・新聞

コラム 旅は呼んでいる 加西来夏

沖縄県 ~宮古島、久米島、西表島~

「泳がない方がいいよ、昨日もサメが出たからね!」。沖縄限定オリオンビールを片手に真っ白な砂浜で物思いに耽っていると、突然独特なアクセントが響いた。その声の主、地元のおじ様の話ではイタチザメに咬まれた人がいるとのこと。酔いも迷いも一気に吹っ飛んだ。 

 就職活動をしようにもやりたい仕事がなく、気付けば大学4年の夏。衝動的に2500km南下し、東洋一美しいと称される宮古島の“与那覇前浜ビーチ”を目指した。もちろんそちらも素晴らしかったのだが、人目を気にせずのんびり出来る穴場的な“砂山ビーチ”で過ごしていたら、冒頭の「サメ注意」である。見ず知らずの観光客にわざわざ声をかけてくれた上、徒歩では宿まで遠いだろうと車で送ってくれた沖縄の人のあたたかさに触れ、帰ったら頑張ってみよう、そして再び来ようと固く誓った。

宮古島・砂山ビーチ

 海の美しさで言えば、久米島の“はての浜”も別格だった。どこかで見たような、とハッと思い出したのがカリブ海、メキシコ・カンクンのターコイズブルー!また、“ちぃとぅ処 福屋”という喫茶店のかき氷は、氷が綿菓子のようにフワフワ、練乳が中までしっかり染み込んでいて絶品で、どちらかというと苦手だったかき氷を生まれて初めて美味しいと思えた。

久米島のかき氷

 幻のイリオモテヤマネコに会ってみたいと西表島へも行った。いざネコを探しにドライブをすると島内には信号機が全く見当たらないことに気付くが、決してスピードを出してはいけない。イリオモテヤマネコが幻=絶滅危惧種となってしまった一因に、交通事故があるからだ。残念ながら、会えたのは西表野生生物保護センターでのみ。こんなに可愛らしい生き物なのに、結局人間のせいで…と複雑な気持ちになり、帰り道も安全運転を心がけた。

 無事社会人になった後、母を宮古島へ連れて行った。貸し切りタクシーの運転手さんもすごくいい方で、橋の上からウミガメを探し当て、隠れビーチや沖縄料理屋、夜は蛍のいる場所まで案内してくれた。何度行ってもあたたかく楽しい沖縄が大好きだ。

イリオモテヤマネコ

●加西 来夏 (かさい らいか)

訪問39ヵ国、好きな言葉は「世界は驚きと奇跡に満ちている」/トランプ大統領、治療薬が効いたとはいえその回復力にびっくり!まるでアメコミに出てくるヒーローのようで、さすがですね。


(日刊サン 2020.10.30)

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