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コラム マスコミ系働き女子のひとりごと

話題の深谷へ、日帰り旅行

レンガ作りの深谷駅。東京から日帰り圏内ですが、初めての土地でした

夏休みもあと1日で終わり…という8月最後の日曜日、東京近郊の埼玉県深谷市に日帰り旅行に出かけました。新宿からJRの在来線で約90分。なぜ深谷?と言えば、今年のNHKの大河ドラマ「青天を衝け」の主人公にして、「日本の資本主義の父」と呼ばれる渋沢栄一の故郷だからです。

2024年度から流通する新1万円札の顔にも決まっている、注目の人。実は何をした人か、いま一つ知らない渋沢さんの故郷を、2年続く“自粛の夏”の思い出作りの地に選びました。

レンガが美しい深谷駅

新宿駅のホームから埼京線に乗り、赤羽駅で高崎線に乗り換え。あまりに普通の列車のため、駅のホームで買える800円のグリーン券で旅をアップグレードし、気分を盛り上げました。赤羽、大宮…を過ぎると馴染みのない駅名が多くなり、車窓の景色も開け、深谷駅に到着しました。

深谷駅は渋沢が日本の西欧化のために手掛けたレンガ製造業にちなみ、東京駅を模したレンガ作りの堂々とした駅舎です。降り立った瞬間から、一気に気分が上がりました。

ちょっぴり怖い? でも話すとユーモラスな渋沢のアンドロイド

渋沢栄一の偉業とは

農民出身ながら、明治~昭和の日本の産業をリードした渋沢は、実に200以上の企業の設立に貢献しました。みずほ銀行やJR東日本、サッポロビールに帝国ホテルなど、現代にも続く企業の礎を作ったとは、時代を先取りするその感覚に驚きます。

深谷市にはそのレンガを残した歴史的建物も多く、まずはその一つの甘味屋さんで特大かき氷とラーメンで腹ごしらえ。そして期間限定でオープンしている「深谷大河ドラマ館」(入館料大人800円)でドラマのセットなどを見学しました。

ドラマでは主演の渋沢役を俳優の吉沢亮が演じ、その生涯の相棒であり従弟の喜作を高良健吾が演じるなど若手人気俳優が多数出演。渋沢が仕えた徳川慶喜を草彅剛が個性的に演じており、じわじわと人気が出てきています。

血洗島の生地にも

ドラマにも登場する渋沢の生地は深谷駅からは車で20分ほどの「血洗島(ちあらいじま)」という土地。一度聞いたら忘れない名前ですが、今でもその名前の住所が残っており、驚きました。

生地近くの「渋沢栄一記念館」も見学しました。この記念館は地元の公民館も兼ねているのですが、海外の市庁舎のような外観で、その立派なこと。2階の一室にはなんと「シブサワアンドロイド」がいて、道徳と経済は両立するという渋沢の考えを表情豊かにレクチャーしてくれます。身長150センチ半ば、小太りの渋沢を再現したリアルな人形に娘も興味しんしん。こんな経験を、少しでも歴史の勉強に役だてておくれと母は心の中で願いました。

記念館から徒歩10分ほどの場所には生家も残され、見学が可能。記念館から生家までの間は、「青淵公園」という広い草原のような公園が続いていますが、その広々とした緑地に渡る風が気持ちよかった…。東京の喧騒を離れ、思わず深呼吸したくなる場所でした。

新一万円札も待ち遠しい

そして、渋沢先生に感謝したくなるのは、立派な記念館や生家の見学がどちらも無料だったこと。経済を通じて、日本をより豊かに、より近代化させ、人々の幸せに尽力した意志が、現代まで届いているようでした。

深谷の旅から戻り数日後には、2年半後から使われる新札の印刷が早くもスタートしたとニュースが報じました。20年ぶりに大幅にデザインが変わる新札。その主人公のストーリーを追い深谷へ出かけ、その魅力を知った旅。夏の終わりのよい1日となりました。

東京・大手町発 マスコミ系働き女子のひとりごと Vol.38

(日刊サン 2021.9.10)

竹下聖(たけしたひじり)

東京生まれ。大学卒業後、東京の某新聞社でスポーツ記者、広告営業として15年間勤務後、2012年〜2014年末まで約3年間ハワイに滞在。帰国後は2016年より、大手町のマスコミ系企業に勤務。趣味はヨガと銭湯巡り。夫と中学生の娘、トイプードルと都内在住。

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