日刊サンの読者の皆様、2022年明けましておめでとうございます。今年も身の回りで起きるささやかな出来事を通じて、今の〝日本の空気〟をお伝えできたらと思います。どうぞお付き合いよろしくお願い致します。
さて日本のお正月といえば、箱根駅伝に高校サッカー、ラグビーの大学選手権などスポーツイベントが目白押し。毎年の恒例行事としておせち料理をつつきながら、テレビ中継を楽しむご家庭も多いのでは? 今年はそんなお正月早々の1月8日に、ラグビーの新リーグ「リーグワン」が誕生します。
新リーグ誕生の背景は
2019年に多くの〝にわか〟ファンが誕生したラグビーW杯から、2年以上。ラグビーの国内リーグとして、日本ではここ18年間は「トップリーグ」が存在し、神戸製鋼や東芝府中、サントリーといった社会人チームの香りが色濃く残る強豪が、優勝を争ってきました。今年新たに誕生…というより、トップリーグから脱皮する「リーグワン」は、より地域密着、よりチケット販売などの収益性の強化を目指して進化。先に成功して大きな組織となっているサッカーのJリーグやバスケットボールのBリーグを目指すべく、生まれ変わります。
全国に12チーム
リーグはディビジョン1~3に分かれ、1番上のD1は12チーム。ただ、トップリーグ時代の名残で東京が本拠地のチームがそのうち5チームもあります。前身が東芝府中で日本代表を数多くそろえる「東芝ブレイブルーパス東京」に、優勝常連のサントリーが前身の「東京サンゴリアス」、私の地元・世田谷区内に練習場があるリコーが名前変える「ブラックラムズ東京」。そして東京の湾岸エリアから千葉にまたがる地域に、NTTコムとクボタがルーツの2チームが本拠地を構えます。
関西地域には、強豪の神戸製鋼が前身の「コベルコ神戸スティーラズ」など2チーム。その他、横浜(元キャノン)、元日本代表の五郎丸歩が引退し運営スタッフ入りした静岡(元ヤマハ)、名古屋(元トヨタ)、熊谷(元パナソニック)にもチームが点在します。
地元にもチーム誕生
大のラグビーファンの私にとっても、ワクワクする新リーグ開幕ですが、名前やチーム名が正直わかりづらく、リーグシステムも複雑で困惑するばかり…泣。ただ、嬉しいことに「東京ブラックラムズ」は世田谷に初めて誕生するプロのスポーツクラブ。二子玉エリアの多摩川近くにグラウンドやクラブハウスがあり、区民としては応援したいところです。年末にはおしゃれな街・二子玉で屈強な選手たちが登場するファンイベントも開催され、地域のファン獲得にも本腰を入れています。
真冬の観戦が醍醐味…?
1月に開幕し、決勝は5月末。各チームはレギュラーシーズン16試合+プレーオフ2試合を最大で戦います。寒風の中、白い楕円球の行方を追うラグビーの観戦は、常夏の島・ハワイのスポーツスタイルからはもっとも遠いかもしれません。それでも日本の冬の青空の下、スタンドで深呼吸するだけでも素敵な体験。海外渡航がもう少し自由になったら、ぜひ一度ラグビー場を体験してみてください。
東京・大手町発 マスコミ系働き女子のひとりごと Vol.42
(日刊サン 2022.1.7)
竹下聖(たけしたひじり)
東京生まれ。大学卒業後、東京の某新聞社でスポーツ記者、広告営業として15年間勤務後、2012年〜2014年末まで約3年間ハワイに滞在。帰国後は2016年より、大手町のマスコミ系企業に勤務。趣味はヨガと銭湯巡り。夫と中学生の娘、トイプードルと都内在住。
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