選手村の人気メニュー
東京パラリンピックが閉幕しましたが、もうしばらく東京五輪と「食」のお話をさせていただきますね。
やはり、世界の選手たちの楽しみの場であり、交流と憩いの場でもあるのは「選手村の食堂」でした。メインダイニングとカジュアルダイニングの二箇所の食堂が設置されており、メインダイニングは、24時間オープンで約700種類の料理を楽しめます。そこで選手たちは無料で好きなものを好きなだけ食べれるわけです。
選手たちによく好まれているのは、寿司から、餃子、カレーライスなど多種多様で、飲み物から日本のデザートとまでとさまざまです。こうした様子はYoutube、Instagram、TikTokなどで世界へと拡散しています。
たとえば、アメリカ代表のパラリンピアンのスザンナ・スカロニさんは、自身のインスタグラムにお好み焼きやサラダ、かき揚げ、ほうれん草のおひたし、おにぎりなどの一つ一つの料理を自身の感動を加えて伝えています。
そうした中で、「一番人気のメニュー」は、“ギョーザ”のようでした。さまざまな選手達が舌鼓をうち、その感動の様子を多くの選手たちが映像で自国へ伝えています。「世界で一番美味しい餃子は、選手村にあり」とまで叫んでいるのです。
こうした選手たちの反響にとても喜んでいるのが、選手村のメニューアドバイザリー委員会の座長を務めている田中寛一郎さん(帝国ホテル特別料理顧問)です。田中さんによると、食堂にはワールド、アジアなどのブース、ハラール(イスラム教徒のため)や、ベジタリアンなどのブースも設置、そして日本食ブースには、焼鳥から、うどん、ラーメン、豚汁まで揃えたそうです。
一方、日本人として残念に思うことに、韓国メディアで「五輪同様に、東京パラリンピックに出場する韓国選手団は、障がい者体育会給食支援センターで作ったお弁当で心を強くして決戦に出る」と報じていることがあります。オリンピックの間も独自に1日1食の弁当を配給していたようですが、パラリンピックでは独自の給食支援センターから韓国人選手へ一日3食すべてを供給しているそうです。
やはり、韓国側は日本の食材にはかなり神経質になっているようで、「福島第一原発事故による放射能汚染のリスクを避ける」ということが目的があります。実際には日本からの食材調達もするわけですが、条件として「日本産食材の場合は原産地が確認された食材のみ」としていました。そして、食材の搬入時には放射能測定器を使用して、安全な食材の供給に最善を尽くしていることを強調しています。
日本の安心安全な食材、伝統と文化を堪能できる美味しい日本料理を食してもらえないのが残念ですね。