激動の1週間
先週のこと。一気に、街のエルルギーが切り替わった瞬間を味わうできごとがあった。生まれてはじめての経験。忘れもしない、11月7日土曜日。みんなが大注目していた大統領選挙の結果がついに出た日のことだった。その日は、あまりにもいいお天気で気温も11月のNYとは思えないほど温かく半袖日和。夫アダムとともに、セントラルパークまでサイクリングへと出かける準備をし、まさにアパートを出ようとした瞬間のこと。
バルコニーで、だれかの叫び声が聴こえた。また、連日つづいているデモの行進がやってきたのだろうか?と、一瞬、頭を過ったがなにか違う空気感。窓を開けてバルコニーへと出てみた次の瞬間、「おおおーーーーー!!!!」という叫び声が大きなうねりをあげてマンハッタンの街を包み込んだ。拍手をするひと、笛をふくひと、大声で思いの丈を叫ぶ人。街が歓喜の渦にまかれた瞬間だった。
お隣さんが、バルコニーへ出てきた。きょとんとしている私をみてひとこと、結果がでたことを教えてくれた。コロナからいままでの約8ヶ月。次々と人がこの世を去り、街を去り、観光客が去り、レストランやオフィースもクローズされ、治安の悪化に連日つづくデモ隊。そんななかでの今回のアメリカ大統領選挙。
数ヶ月前から、ニューヨーカーたちと会うとみんなかなりぴりぴりしていた。人生がかかっている。期日前投票では寒い中、数時間待ちがあたりまえ。そんな状況でも、根気よくニューヨーカーたちは列に並び、投票する姿に、わたしはチカラをもらった。日本で生まれ育ったじぶんにとって、自国のためにここまでひとりひとりが責任をもち、他人任せにせず、積極的に政治に参加する意気込み、希望を失わない姿勢、そして、ニューヨーカーたちのあつい情熱に心を打たれた。
速報が出てから1時間がすでに経過していた。しかし、人々の歓声、拍手は鳴り止まない。
今まで、重く不安でつらいエネルギーだったNYが一気に、よろこび溢れる上昇エネルギーに切り替わったのを感じた。
ひとりひとりの発しているエネルギーが変わると、街全体のエネルギーまでもがこれほど変わるのか!
その後も11月7日のNYCは、1日中お祭り騒ぎだった。速報を聞いた後でかけたセントラルパークでも、数分に1度、誰かが歓声をあげ、それに合わせて大勢の人たちが拍手喝采。車がクラクションを鳴らしよろこびを表現すると、だれからともなく街のどこかで歓声がうまれ、それが大きなこだまとなり響いていく。そんなことが夜中までつづいた。
暗いニュースのつづいていたNYで、久しぶりに笑顔溢れるニューヨーカーたちの姿。それを祝福するような青空。
一生忘れられない1日になった。
私の旅ストーリー
大森 千寿
NY在住。香川県高松市生まれ。アーティスト・作家・アートセラピスト・米国NLP協会認定マスタープラクティショナー・現代レイキマスター。NY・ハワイ・日本の3箇所にアートスタジオを構え活動。著書に、amazon電子書籍「ハワイに不動産を購入して人生10倍楽しむ方法」「ハワイで聞いた! 32通りの生き方(第一弾)」「人生の冒険」がある。NYで新しい扉を開く2日間プログラムやニューヨーカーと行く穴場ツアー、アート最前線ガイドなど開催中。 www.chizuomori.com ameblo.jp/adamwestonart
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