みなさん、こんにちは。時差ぼけもさすがに治り、仕事にも母親業にも復帰しています。ということで、ハワイでは子供たちの新学期が始まりましたね。子供がいないときは、全く関係ありませんでしたが、なんとなく、私も1月1日よりも新学期の方が新たな気持ちになります。ちょうどお待たせしていたクライアントの仕事に着手しているところですが、その一つに、精油ではなくフレグランスオイルでの調香があります。
その方はエステサロンを経営されているのですが、愛してやまない香水があるそうです。とても高価で、日常使いにするには高級と言ってもよい香水です。が、彼女はその香水が好きすぎて、同じような香りが欲しいということでした。実際に、お気に入りの香水が廃盤になってしまったから、同じような香りを作って欲しいという依頼もありますが、一般的な香水と、私が使用する精油は違うものなので、再現するには限界があります。
精油は私のスペシャリティなのですが、実は、フレグランスオイルとは全く違うものなのです。「香り」という点では同じですが、それをブレンドするとなると、揮発の速さや成分、性質が精油とフレグランスオイルでは全く違うので、同じ方法でブレンドしても思った通りの香りにはなりません。また、フレグランスオイルにはあるけれど、精油にない香りもあります。逆に言えば、天然の植物から採れない香りをフレグランスオイルで再現することもできます。
香水によく使われる香りで「Amber(アンバー)」があります。アンバー(正しくはアンバーグリス)は動物性の香料のひとつとして知られ、マッコウ鯨の腸内にできる結石のことです。結石というだけでどれだけ希少なものかお分かりになるかと思いますが、ほとんどは合成香料でアンバーの香りを作り出します。重厚感があり大人の甘さ、セクシーさのある香りです。このアンバー系の中には、バニラやベンゾインなどとても甘い香りも含まれます。一番バルサミックなアンバーの再現に精油で使用されるのはラブダナムという植物です(ロックローズやシストローズとも呼ばれます)。しかし、花からは濃厚なアンバーの香りはしません。葉や小枝、樹脂を蒸留して初めてアンバーの香りに出会えるようです。
ちなみに精油としてお話ししておくと、このラブダナムには、自律神経のバランスを整え、お肌の老化防止にも効果があるとされています。よって化粧品の香料として使われることも多いそうですよ。アンバー調の香りが好きだけど、天然の香りがやっぱり好き! という私みたいな人は、ぜひご参考になさってください。
アロマのある生活 No.182
山中麻瑠 Maru Yamanaka
1999年に渡豪、IFA認定アロマセラピストとなる。オーストラリア某有名デイスパ、日本で医療現場、ホテルスパ、等で経験を積み、アロマセラピスト育成講師も務める。2005年ハワイに渡り、2008年より11年間アロマアットホームのオーナーを務める。現在、アロマセラピーを広める活動中。2014年からアロマセラピーワークショップ開催。
インスタグラム:@marukimoto_808aroma
FBページ:MY Essence Hawaii
シェアする