みなさん、こんにちは。突然ですが、イランイランというお花の名前は聞いたことはありますか? 私は、花の名前として聞いたことはありませんでしたが、アロマセラピーに興味を持ち始めた時に、イランイランという精油があることから、このお花の存在を知りました。東南アジアに生息する花で、日本で見かけることはないかもしれません。また、ハワイでも普通に見ることはなく、ボタニカルガーデンにあるとのことは知ったのですが、行った時には花がついていなくて、実際に花を見ることはできませんでした。
このイランイラン、甘い花の香りではあるのですが、少し薬っぽいようなスパイシーとでも言いますか、頭が痛くなるという人もいます。ほぼ単体で使用することはない精油かもしれません。その代わりに、香水にはよく使われる精油で、有名なシャネルNo.5や、ゲランのサムサラなどに使用されています。また、石鹸やキャンドルなどにも幅広く使われています。実はイランイランの精油は、同じ花から抽出されていても、種類が異なるのをご存知でしょうか。メーカーによっては一種類しか製造していないところも多いですが、蒸留の時間によって、成分の有含量が変わるため、香りも違い、それぞれ別の種類として分類されるのです。
最初に一番短い時間で抽出される種類が、イランイランエクストラです。このエクストラの中にも、抽出時間によって3段階あります。甘く花の香りが一番強いのは、この段階のイランイランです。精油のクオリティには違いはありません。ストレス軽減や、不安を緩和するのに役立つ精油です。ヘアケアにも多く使われる種類です。次に、イランイランスーペリアです。こちらは、甘さがエクストラよりも少なく、ハーブよりの香りが少し強くなります。リラクゼーション効果は高いとされ、血行促進効果も期待できます。そして、最後がイランイランコンプリートです。化粧品に使用されることの多い種類です。また、筋肉痛や筋肉疲労緩和にも役立つとされています。女性フェロモンを感じさせる香りと言われているのは、このコンプリートですね。
ローズやジャスミンなど、繊細な花の香りは、アブソリュートと言われ、溶解剤抽出法で精油が採取されることが多いのですが、イランイランは水蒸気蒸留法で抽出される精油です。もちろん、イランイランでもアブソリュートもありますが、水蒸気蒸留法で抽出が可能なため、ローズやジャスミンに比べるとそこまで高い精油ではありません。ブレンドする精油によって、一滴で全く違った香りを生み出せるイランイラン。上手に活用したいものです。
アロマのある生活 No.193
山中麻瑠 Maru Yamanaka
1999年に渡豪、IFA認定アロマセラピストとなる。オーストラリア某有名デイスパ、日本で医療現場、ホテルスパ、等で経験を積み、アロマセラピスト育成講師も務める。2005年ハワイに渡り、2008年より11年間アロマアットホームのオーナーを務める。現在、アロマセラピーを広める活動中。2014年からアロマセラピーワークショップ開催。
インスタグラム:@marukimoto_808aroma
FBページ:MY Essence Hawaii
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