2023年は卯年。12もある干支の中でも一、二を争う可愛い年です。私は酉年生まれなので、小さい頃はよく「あんたは酉年生まれだからドタバタして落ち着きがない」なんて祖母に怒られていました。もちろん何の関係もないのですが、その時は妙に納得したものです。
ニワトリというとどうしても食用のイメージがあるし、かわいいウサギやヒツジ、かっこいい虎や龍だったらな、とか、せめて落ち着いて見えるウシだったらなと叶いもしないことを願ったこともありました。
十二支といえば、誕生日に紐づいている星座も12。時間や月も12ですし、新約聖書に出てくる弟子の数も12。調べてみると、ギリシア神話や仏教にも、12にまつわる逸話がたくさんあるようです。他にも1ダースは12であったりと、古今東西、12という数は特別な意味を持つことが多かったのではないでしょうか。数字そのものとしては、2、3、4、6と多くの約数を持つことから、すっきりと割り切れて、シェアしやすい数ともいえるでしょう、
一方で、13は不吉な数字として扱われることが少なくありません。例えば、前述の新約聖書では、イエス様を裏切ったユダが13番目に最後の晩餐の席に着いたとされ、キリスト教の世界では忌み嫌われる数字とされています。日本にいるとあまり馴染みがないかもしれませんが、ビルを建てるときに13階という表記を外したり、飛行機の座席番号で13を飛ばしたりすることもあるようです。13は素数であり、割り切れないことも関係しているのかもしれません。
それでは2023という数字はどうなのでしょうか。素数のように見えますが意外にも素数ではなく、7と17で割り切れます。個人的には、全ての数字がそれぞれ一画で書けることから、なんとなく収まりの良い数字に見えます。
ここ数年、私たちは混沌とした中で毎日を過ごしてきました。色々なことが続いていたこの世界が落ち着いて、平和で安全な毎日が過ごせる一年となりますように。トラからウサギまで、この地球に生きとしいける全てのものがそれぞれの命の旅を穏やかに歩めますように。それが、昔は干支を変えたいと馬鹿なことを願っていた私の、ただ一つの願いです。
CAN OF ALOHA No.92
金平 薫 (Kaoru Kanehira)
香川県出身、現在はハワイ某所にて武者修行中。 日々のあれこれを、ゆるりとお伝えできたら幸いです。美味しいものには目がありません。 なんでもない毎日は Instagram:kaoru_days をご覧ください。