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デジタル版・新聞

コラム マスコミ系働き女子のひとりごと

秋桜(コスモス)祭とジェンダー格差

2年ぶりにリアル開催された文化祭のパンフレット

東京の緊急事態宣言が解除されて1カ月。都内でも1日のコロナの新規感染者が2桁台の日が多くなり、娘の通う中学でも延期が続いていた文化祭が11月3日の文化の日にようやく開催されました。

“コスモス”祭の名前の通り本来は9月中旬にあるのですが、今年はコロナの影響で泣く泣く延期。文化祭当日も保護者の学校内の滞在は1時間限定の慌ただしい見学でしたが、女子学生の元気な笑顔があふれる、楽しい時間となりました。

日本で定番の企画は?

ハワイの中学・高校でも日本の文化祭にあたるスクールフェスティバルはあるのでしょか? 娘の学校では各クラスが展示をしたり、高校生は模擬店でお菓子を売ったり。そうそう、どの学校でも「お化け屋敷」は定番で、真っ暗にした教室に仕掛けをして、生徒が来場者を驚かす企画も人気ですね。私立の中学の場合は、学校や生徒の雰囲気を確かめる絶好の場で、娘の受験前にはずいぶんたくさんの文化祭に出かけました。

テーマはSDGs

さて、昨年はオンライン開催だった娘の文化祭に出かけるのは2年ぶり。グローバル教育に力を入れる学校で今年はSDGsの視点での発表が数多くありました。日本語では「持続可能な開発目標」と訳されるSDGsはご存知の通り2015年に国連サミットで採択された、2030年までに達成すべきとされる17の目標です。中学3年の娘のクラスではそのうちのひとつ「ジェンダー平等を実現しよう」について学習。成果を模造紙に書いて発表しました。

ショッキングな数字

「男女の格差」の見直しは最近の注目のテーマですが、実は知らないことばかり。日本は世界の中で遅れている…とニュースで見知っていても、改めて数字を突き付けられるとかなりショッキングです。今年発表されたジェンダーギャップ指数では、日本は156か国中120位。日本の下の121位は内戦が続くアフリカのシエラレオネです。1位はアイスランドで、上位は北欧諸国が占めてアメリカは30位。日本は先進国では断トツの低さです。

気になって調べてみると、この指数は「経済」「教育」「健康」「政治参加」の4項目の男女格差を数値化したもので、日本の場合は教育と健康にはほとんど男女差がなく、大きな隔たりがあるのは「経済」と「政治参加」です。なるほど。私も社会人25年目。会社の中を見渡しても、女性の管理職の割合は本当に少なく、政治家でも女性は圧倒的に少数派です。衆議員の割合も男性と女性の割合は9対1。良くも悪くも今の日本は「おじさん」を中心に回っている社会です。

ポストコロナの日本に

日本では当たり前と錯覚していることが、いざ世界に目を向けるととんでもなく遅れている…。日本の身近な国の台湾、ニュージーランド、最近までドイツも国のトップは女性。では日本は…?と考えると、悲しいかな私の感覚では今後20年は望めそうもありません。

中学生の展示に教えられた秋の1日。女子中学生らしく100個の風船とハナガミで作った616個のお花で彩られた装飾と展示内容で、娘のクラスは大賞を受賞し、意気揚々と帰宅しました。コロナを経て様々な「コトガラ」が変化する現代。少しでも女性が生きやすい社会をと願わずにはいられません。

東京・大手町発 マスコミ系働き女子のひとりごと Vol.40

(日刊サン 2021.11.13)

竹下聖(たけしたひじり)

東京生まれ。大学卒業後、東京の某新聞社でスポーツ記者、広告営業として15年間勤務後、2012年〜2014年末まで約3年間ハワイに滞在。帰国後は2016年より、大手町のマスコミ系企業に勤務。趣味はヨガと銭湯巡り。夫と中学生の娘、トイプードルと都内在住。

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