最近、剣道を始めました。15年近く前に2段を取ったきり、ずっとまたやりたいと思いながらもチャンスを逃し続けていたのですが、再開しました。
最初は竹刀を持って素振りをするだけで身体中がバキバキ。日頃の運動不足を痛いほど感じる結果に終わりました。円安にかこつけて道着・袴に防具一式も新調。新しい防具は体に馴染んでいないので、なんだか「防具に着られている」ような気持ち。それでも一度防具に身を包むと、はるか昔のことでも体が覚えているようで、思ったよりはすんなり動けました。
私が剣道をしていた頃、道着といえば綿一択。重厚感はありましたが、分厚くて色落ちが激しく、いつも洗濯には頭を悩ませていました。袴もテトロンという素材のものしか選択肢がなかったように思います。ところが今は、どちらもジャージ素材で軽くて快適。洗濯してもあっという間に乾いてしまいます。もちろん色落ちもないので、いつまで経ってもしっかりした紺色を維持できます。
防具も、昔のものに比べるとずいぶん軽くなりました。剣道、と聞くと思い起こされるような、独特のあのにおいもグッと減ったように思います。良い時代になったものだなあとつくづく思います。
と、お世話になる道場も決まり、さあ第二の剣道人生頑張るぞと思ったのも束の間、ひどい椎間板ヘルニアになってしまい、日常生活すらままならなくなってしまいました。
ある日、トイレまで這って行ったものの、立ち上がることすらできずトイレの床で一晩過ごす始末。そこからは全く動けなくなり、最終的には救急車でERに運ばれ、と言っても日本のERとは違って特に何をしてくれるわけでもなく、かなり強い痛み止めをもらって終わり。残されたのは痛み止めの副作用で死んだように寝続ける体と、恐ろしいほどの金額を示す請求書のみ。
ここまでが私の5月・6月の出来事です。腰もだいぶ良くなり、剣道にもそろそろ復帰したいところなのですが、背筋を伸ばして激しく動く動作にはまだもう少し時間がかかりそうです。早く稽古に戻らないと、せっかくカンを取り戻してきたところなのに、と焦る気持ちもありますが、ここはグッと堪えて治療に専念したいと思います。
いつか、このコラムでもっと剣道のことを語れる日まで。
CAN OF ALOHA No.81
金平 薫 (Kaoru Kanehira)
香川県出身、現在はハワイ某所にて武者修行中。 日々のあれこれを、ゆるりとお伝えできたら幸いです。美味しいものには目がありません。 なんでもない毎日は Instagram:kaoru_days をご覧ください。