細かな雨が庭の紫陽花に降り注いでいます。梅雨入り宣言はまだですが、自然の風情は早くも梅雨模様です。新型コロナウイルスに対応した「東京アラート」は解除されていませんが、街では少しずつ日常が戻ってきています（6月10日現在）。

　おこもり生活では家族団欒を楽しめた方々が多かったようですが、外出制限によってストレスを感じた向きも同じように多いそうで、ドメスティックバイオレンスなどの報道もあります。ストレスが強くかかると血圧はそれに比例して上昇します。血管は太い動脈、静脈そして毛細血管などの末梢血管を含めれば地球二周半にも及ぶ道路交通網です。血液という自動車に乗って酸素や栄養素などが各細胞へ運ばれる一大物流網が身体の中に張り巡らされていると想像していただくよいでしょう。

　血圧は“上”と“下”などで表現されますが、上は心臓の筋肉が収縮して血液を押し出すことで血管を押す力、下は拡張して押す力が弱まった時の力です。血圧は水銀柱の高さで計測されますが、それを水柱に換算すると例えば至適血圧120／80の場合は1632㎜と1088㎜、つまり上の血圧は成人女性の平均身長くらいの高さまで、下は５歳前後の子供の平均身長に達するほどの圧力なのです。

　血圧を上げる要因は塩分の摂り過ぎをはじめとして数々ありますが、その一つがストレスです。通常、血圧は活動が盛んな昼間に交感神経が活発に働き高くなりますが、ストレスや怒り、不安などを感じると活動時のように交感神経優位となりアドレナリンが心臓の心拍数や心拍出量を増加させ血液は粘性を高めるために車が渋滞にはまったようなものです。同じくノルアドレナリンは腎臓からナトリウムが排泄されるのを妨げることで血液中のナトリウムの濃度を上げ、それを薄めるために水分の量が増えるので交通量が過剰に多くなったような有様です。

　白衣高血圧という言葉をお聞きになったことがあると思います。白衣高血圧は自宅では正常血圧なのに診察室で計測すると想像以上に高い数値がでることを指し、ドクターの前では緊張してストレスがかかり、血圧が高くなっている状態なのです。特に危険なのは職場高血圧（仮面高血圧）で検診の時には正常値なのに、仕事中無自覚にも拘わらす血圧が非常に高くなっている状態で、過労死や突然死などは多分にこのタイプの高血圧が関連しているそうです。自宅にいる時間が長い今こそ血圧のための食習慣を身に着けましょう。食事の基本は以下の7つだそうです。 ●高カロリーの制限●良質のたんぱく質摂取●動物性脂質の過剰摂取制限●ミネラルの充分な摂取●食塩の制限●ビタミンの充分な摂取●食物繊維の摂取 食材としては●酢●海藻●大豆、大豆製品●緑黄色野菜、淡色野菜●青魚●キノコ類…などです。

　薄切りタマネギを甘酢で漬けた酢タマネギなど、試してみてはいかがでしょうか？