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コラム 神楽坂発 お身体へのお便り

【神楽坂発 お身体へのお便り】味覚の減退にストップを

 あけましておめでとうございます。 

 ハワイの皆さまも日本と同様にお正月には歳神様を迎えられ、新しい1年の始まりを祝われたと思います。1月は睦月と呼ばれますが、親しい方々が集い陸み合う月を指しているそうです。1月7日までは松の内、15日で正月事終いとなり、ハレ(非日常)からケ(日常)へと移ります。改めてまして明けましておめでとうございます。今年も最新の論文などを参考に健康情報をお伝えしてまいりたいと存じます。

 クリスマス、お正月と行事が続き、美食を堪能なさった方も多かったと存じます。ところが昨年に比べてお料理が不味くなったと感じる方もおられるようで、場合により夫婦喧嘩に発展して楽しいはずの場が気まずくなってしまうこともあるようです。これは料理の腕が問題なのでしょうか?

 私たちの味覚には苦味、うまみ、酸味、甘味があります。昨今、外食やコンビニ食などを利用される方も多く、どうしても均一の味に慣れがちです。そのため若い方でも味覚が鈍化すると言われています。まして年齢を重ねると味覚の衰えが際立ってきますが、それが自覚できずに料理に問題があると思いがちになるそうです。研究によれば、ご高齢の方の場合、塩味は若い方に比べて12倍も感じにくくなると報告されています。因みにうまみは5倍、甘味は2.7倍程度感じにくくなり、味覚の衰えは一律ではないようです。

 塩分が高血圧の大敵であることは周知の事実ですが、塩味を感じにくくなると濃い味付けが欲しくなります。ではどうしたらよいのでしょうか? うまみの衰えは塩味に比べて遥かに少ないので、うまみを上手に利用する味つけが望ましいようです。昔から日本人は昆布やシイタケ、鰹節などうまみ十分の出汁によって食事を供してきた歴史があります。世界的に日本食がヘルシーと言われる由縁でしょう。うまみに加えて味覚の低下が少ない酸味をお料理の中に入れることも良いそうです。

 また、塩味自体も普通の塩加減と薄目の塩加減の2種類を用意し、アクセントをつけることで、味覚の衰えを補えるという研究報告もあります。味覚は視覚からも影響を受けますので、白い食材には黒系のお皿、お肉など色の濃い食材には白系のお皿に盛ることで食欲増進にも繋がるそうです。

 味覚の衰えは加齢だけが原因ではありません。日本人の食事摂取基準(厚生労働省必要最低量の基準)では男女ともに基準値を下回っています。食事から摂る量が足りないだけでなく、亜鉛を体外に排泄してしまうフィチン酸やポリリン酸(加工食品などに含まれています)によって不足する可能性もあります。加工食品に偏りがちな食卓では、塩分過剰摂取と亜鉛の不足が両輪となって味覚の減退だけでなく高血圧のリスクも加速してしまうのです。

 今年もお健やかにお過ごしくださいませ。

神楽坂発 お身体へのお便り No.113

安田祥子   Akiko Yasuda

株式会社jast代表取締役会長 

統括メディカルアドバイザー、フリーライセンスドクター、「農林水産省 産学共同プロジェクト」メンバー

最愛の娘の突然の死をきっかけに、健康は当たり前のものではなく、自らの手で守り育むものと痛感し、分子生物学や医学などを学ぶ。2013年(株) jastを設立し家庭と医療機関を結ぶ架け橋としてのアドバイザー育成に取り組む。これまで200件以上のクライアント様の健康・医療・日常生活のご相談に応えるとともに、教育部門JAMAで主席講師を務め分子生物学の観点から細胞に働きかける栄養素や最新の遺伝子研究など多岐に渡る講義を行う。数多くの機関誌への執、講演会、セミナーなども行っている。

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