このタイトルを見て、有名な探偵アニメの言葉であるとピンときたでしょうか?名探偵コナンのコナン君は、「真実はいつもひとつ」と言うキャッチフレーズを使ってます。もちろんそれは、推理においては正しいと思うのですが、私は最近、「真実はひとつ以上ある」と思うようになったのです。
例えば、同じ時期に、三人の同じ箇所にニキビができたとします。その三人は、病院に行ってお薬をもらい、先生の言った通りの処方薬を継続します。1ヶ月経ってもニキビが治らない時、この三人は、それぞれの対応をとります。
まず一人目のAさんは、効かない薬であると察知し、他の病院を数件回ります。次に二人目のBさんは、薬が効かないと言って医者に怒りをぶつけます。そして三人目のCさんは、ニキビがなくならない自分に対して、自己嫌悪に陥ります。
同じニキビへの対処でも、三者三様であることがお分かりでしょうか。ちなみにこれは、アーユルヴェーダにおける、「ヴァータ」体質(Aさん)、「ピッタ」体質(Bさん)、そして「カパ」体質の人(Cさん)たちの典型的な思考例を示しています。
それぞれを構成する要素は、地球の五元素からなります。風と空間のエネルギーの「ヴァータ」、火と水のエネルギーの「ピッタ」そして、水と地のエネルギーの「カパ」となります。そしてこの五元素は、私たちの周りにある自然の全てに宿ると言われています。
私が日々学んで発信しているアーユルヴェーダでは、体の不調は、上記の五元素のいずれかのバランスの乱れを指します。つまり「ニキビができた」をアーユルヴェーダの切り口から見ると、「体のバランスが乱れていることを示すサイン」というのが真実となります。一方で、1ヶ月もお薬を塗ったのに治らない、という経験から、「薬は塗っても治らないもの」ということが真実だと感じる人もいるのです。そして、どちらの真実も「正解」なのです。
それぞれの人が取る対応が違うということは、それぞれの人にとっての真実が異なるからです。これが分かれば、他人が自分と異なる意見を持っている時にも、「ああ、この人にとっての真実とはこれなのだな」と思えるようになるのではないでしょうか。自分にとっての真実がクリアになっていると最高ですね。
幸せ修行 No.269
加藤ジェシカ
世界中50か国以上を旅する中で、地球にはエネルギーのような何かが存在することに気づく。2017年、ヨガの勉強を通してアーユルヴェーダに出会い、渡印。日常に寄り添うアーユルヴェーダがテーマ。
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