アーユルヴェーダには、健康な生活を維持できたり、不調知らずの生活を送ることができるようなアドバイスがいくつもあります。今回は、専門的なことには触れずに、簡単に毎日できる事柄を、食事、睡眠、そして日常生活の3つに分けてご紹介いたします。
まず、アーユルヴェーダにおいて重要なトピックである食事からはじめましょう。食事は、生命エネルギーであるプラーナをいただく行為ですので、意識的な食事を心がけることをお勧めします。具体的には、よく噛むことと、「ながら食べ」を避けることです。お家の人が子供に向かってよく噛むように注意するイメージがありますが、大人になると、空腹を埋めるために食べていることはないでしょうか。あるいは、だらだらと携帯電話やテレビを見ながら食べていませんか。年齢問わず、食事を意識的にいただくことは、五感の一つである味覚にも良い影響を与えます。
次に、皆さんは適量の睡眠をとっているでしょうか。睡眠時間は、大体7−9時間をお勧めします。よく眠るためには、可能な限り夜の10時までに寝つき、朝の6時以前に起きることができたら理想です。夜の10時から夜中の2時はピッタと呼ばれる火と水のエネルギーが活発になる時間ですので、眠るどころが元気になってしまう時間です。この時間帯に携帯電話やパソコンのスクリーンを見るのは避けることをお勧めします。また、夜中の2時から朝の6時は、風と空間のエネルギーであるヴァータの優位な時間ですので、この時間帯に起きると軽やかさが生まれます。朝6時までに気持ちよく起きるためには、早寝が必要ですね。
最後に、日常生活では五感を意識してみてください。地産地消のお野菜をお料理してそれをいただいたり、自然に触れたり、動物と共に時間を過ごすなど、日常の中での行為そのものが五感に影響を与えます。五感は、使わずにいると鈍ってしまいます。
ただ、使いすぎは禁物です。前述のスクリーンも、見過ぎは視覚にはよくありませんので、就寝前の1時間は避けるなどの工夫をしてみてください。刺激的な映像や音楽は、可能な限り避けると良いでしょう。
もし、なんとなく体の不調があるけれど原因が分からない場合、あるいは生活には困らないけれど何か物足りない気がする、という感覚がある場合は、上記の項目を意識してみてください。
今現在が健康であっても、将来どうなるかは誰にもわかりません。毎日の生活を意識的に行い、その行為すべてを楽しんでくださいね。
幸せ修行 No.259
加藤ジェシカ
世界中50か国以上を旅する中で、地球にはエネルギーのような何かが存在することに気づく。2017年、ヨガの勉強を通してアーユルヴェーダに出会い、渡印。日常に寄り添うアーユルヴェーダがテーマ。
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