みなさま、あけましておめでとうございます。昨年は、インド医学であるアーユルヴェーダに関する小話をお読みいただき、ありがとうございました。今年は、本場インドで学んだインド医学の内容を盛り込みながら、実践できるアーユルヴェーダをお伝えして参ります。一人でも多くの方が、日常生活の小さな工夫を通して、健康な生活ができることを願っておりますので、今年もどうぞよろしくお願いいたします。
新年最初の話題は呼吸についてです。どんなに素晴らしい食事の習慣があっても、睡眠時間が最高でも、呼吸ができていないことには、それらの効果を最大限に生かすことができません。呼吸とは、自分の健康の土台を作るに近いほど重要なものなのです。
インドで伝統的なヨガを学ぶと、呼吸は「心地よさ」に気づくために行うと表現することがあります。無理をして呼吸をするのではなくて、自分にとって最も心地よい方法で呼吸をすることが大切、という意味です。よって、呼吸のやり方には正解、不正解はないので、自分が「心地よい」と感じられることが、良い呼吸と言えるでしょう。
呼吸は、酸素を脳に送るといった科学的な側面でも有効ですが、アーユルヴェーダでは、「プラーナ」と呼ばれるエネルギーを通わせたくて、呼吸をします。日本語で言う「気」のようなものがプラーナです。身体に管が通っていて、吸ったり吐いたりする息を使ってその管の詰まりを良くすると、プラーナが流れる、というイメージです。詰まりとは、身体に溜まった毒素のことで、毒素を、呼吸を使って身体の中から出そうとするんです。
例えばヨガで身体を動かす時には、肺に空気が入るだけでなくて、背骨がゆっくり動きながら、横隔膜なども使って呼吸します。これは、プラーナが身体にどんどん巡りやすい身体を作るためなのです。
今吸っている息を全て吐いてから、鼻からゆっくり吸う意識をしてみてください。吸う息の時に、肺が少しずつ膨らんでくることを感じられると良いですね。両手を肺のあたりに置きながら呼吸をすることも効果的です。吐く息の時には、少しずつ肺が小さくなっていく様子を感じてみてください。呼吸にはいくつもの方法がありますが、まずは自分でゆっくり吸ったり吐いたりする習慣を作ってみてください。ポイントは自分が「心地よい」と感じられることですよ。
幸せ修行 No.280
加藤ジェシカ
世界中50か国以上を旅する中で、地球にはエネルギーのような何かが存在することに気づく。2017年、ヨガの勉強を通してアーユルヴェーダに出会い、渡印。日常に寄り添うアーユルヴェーダがテーマ。
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